聴き比べ落語名作選へようこそ!

古典落語、新作落語・創作落語から、季節の落語、人情噺、滑稽噺、そして古き良き廓話やあまり高座ではかけられない艶笑落語・破礼噺(バレ噺)まで、古今東西の大看板の映像・音声で聴き比べています。

冬の落語

聴き比落語名作欄 冬の落語 芝浜

“雪の朝 二の字二の字の下駄の跡”
冬の落語は暖かい食べ物を題材にした「時そば」「うどん屋」「二番煎じ」、人情噺の名作「芝浜」や「文七元結」などもあり寄席を楽しみにしている方も多いでしょう。

忠臣蔵を題材にした「中村仲蔵」「淀五郎」、上方では「四段目」。
正月には小生意気な息子に手を焼く「初天神」なども多く演されます。

気晴らしに寄席へお出かけしてみてはいかがでしょうか。

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冬に聴きたい落語ベスト5

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特集 落語百選(冬)


落語百選(春夏秋冬) 全4巻セット
麻生芳伸編 ちくま文庫から出版されている「落語百選」は、春夏秋冬の各季節ごとに25席ずつ選定された全4巻の書籍です。
書籍を傍らに、古今東西の名人の聴き比べをお楽しみください。



落語百選 冬 (ちくま文庫)に収録された25席の聴き比べです。ごゆっくりどうぞ。

<<演目>>
うどんや、牛ほめ、弥次郎、寝床、火焔太鼓、首提灯、勘定板、鼠穴、二番煎じ、火事息子、按摩の炬燵、大仏餅、文七元結、芝浜、掛取万歳、御慶、かつぎや、千早振る、藪入り、阿武松、初天神、妾馬、雪とん、雪の瀬川、粗忽長屋


演 目
概  要
聴き比べ
1.うどんや 冬の夜、かつぎ屋台のうどん屋に酔っ払いがやってきます。酔っぱらいにからまれ、女には怒られ今日はさんざん。ある大店の前を通りかかると小さな声でうどん屋を呼ぶ声が。 柳家小さん・桂枝雀・柳家小三治・桂吉朝
2.牛ほめ 叔父さんに呼び出された与太郎。隣町の池田にもう一人の叔父が家を建てたのをほめて小遣いをもらって来いと言います。 桂文我・春風亭柳好・笑福亭仁鶴・笑福亭松喬
3.弥次郎 ご隠居のもとに弥次郎が訪ねてきて、武者修行をしてきましたと言います。 また嘘八百だろうと思いながらご隠居さん、まぁ話してみろと言いますと、 三遊亭圓生・桂枝雀・立川談志他
4.寝床 下手な義太夫に凝っている商家の旦那。今夜もみんなに聞いてもらおうと長屋の連中を呼び集めますが、店子たちはさまざに事情を作って誰も聞きに来ません。 桂枝雀・立川談志・志ん生・志ん朝他
5.火焔太鼓 商売下手の道具屋の甚兵衛さんが、汚い太鼓を仕入れ「またこんなモノ買ってきて」と女房に怒られています。 古今亭志ん朝・志ん生・五街道雲助他
6.首提灯 芝の山内。品川遊郭に近い夜道を一人の町人が歩いています。 このあたりは昼でも人通りが少なく、夜には追い剥ぎや辻斬りが出るという噂が絶えません。 三遊亭圓生・立川談志・古今亭志ん朝・桂枝雀・桂ざこば
7.勘定板 ある田舎の村では用を足したくなると浜辺へ向かい、杭にくくりつけてある紐を引っ張って海の中の板を手繰り寄せ、その板の上に用を済ませて板を海へ戻すという 立川談志・雷門福助
8.鼠穴 父親が亡くなり、兄と弟の竹次郎で田畑を分け、兄は江戸に出て大きな店を持ちますが、竹次郎は酒、女、博打にも手を出して一文無しで自分を雇ってくれと兄を訪ねます。 立川志の輔・立川談志・三遊亭圓生・桂福團治・三遊亭圓楽
9.二番煎じ 火事と喧嘩は江戸の華。特に冬には火事が多くなることから商家の旦那衆が夜に番屋に集まって夜回りを始めようとしています。 古今亭志ん朝・立川談志・桂南光・三笑亭可楽
10.火事息子 ある冬の夜、神田三河町の伊勢屋という大きな質屋の近所が火事になります。 風上なので飛び火の心配も無いだろうとは言いながら、人様のお品を預かる商売、蔵に目張りもしていないようなことでは店の信用に関わると 古今亭志ん朝・三遊亭圓生・古今亭志ん生・林家正蔵
11.按摩の炬燵 寒さの続くある晩。 大店に呼ばれた按摩が旦那やご隠居などの指圧をしたあと番頭に呼ばれます。 番頭は「今晩泊まっていかないか? お前の好きな酒をご馳走するよと 桂文楽・桂春団治
12.大仏餅 御徒町に店を構える河内屋金兵衛の店先に、貧しいなりをした小さな子どもが入ってきます。 聞けば、父親が怪我をしたので煙草の粉を少し分けてほしい。 見れば父親は膝を怪我しており目が不自由な様子。 桂文楽・桂春団治
13.文七元結 江戸、本所達磨横町の左官長兵衛。 左官としての腕は一流ですが、博打好きが高じて半年以上仕事もせずに借金を抱えています。 古今亭志ん朝・桂ざこば・三遊亭圓生・古今亭志ん生・立川談志・金原亭馬生・柳屋さん喬・柳屋権太郎・柳屋小三治
14.芝浜 天秤をかついで魚を行商している熊五郎。 魚を見分ける目も効き、包丁も一流だが、無類の酒好き。 ここ三月ほど酒ばかり飲んで行商に出ていきません。 ある日、業を煮やした女房に 古今亭志ん朝・古今亭志ん生・金原亭馬生・柳家さん喬・五街道雲助・柳家小三治・立川談志・三笑亭可楽・三遊亭圓楽・桂三木助・桂雀三郎
15.掛取万歳 今日は大晦日。年が明けますと十五日くらいまでは掛取りもできない風潮でしたので、商売人は皆この日に払ってもらおうために町を駆けずり回っています。 三遊亭圓生・桂米朝
16.御慶 富くじに狂っている八五郎。当時は一分が千両になるというものですから夢中になるのも無理はありません。 商売もそっちのけで女房もの意見もどこ吹く風、今度は当たる、次は間違いないと留まるところを知りません。 柳屋小さん・古今亭志ん生・古今亭志ん朝
17.かつぎや 近所の毘沙門天に毎日お参りをしている喜六。居眠りをしておりますと、毘沙門天がやって来て起こします。 「いつもお参りしてもらっているので今日は良い目をさせてやろう。これから福の神仲間の宴会があるの連れて行ってやろうと 桂米朝・立川志の輔・笑福亭松鶴他
18.千早振る ご隠居さんがお茶を飲んでいるところに、八五郎が訪れます。 娘に百人一首の在原業平の歌の意味を聞かれて答えられなかったので、ご隠居さんに教えてもらいたいと言います。 柳家小三治・桂吉朝・小遊三他
19.藪入り 奉公先から三年ぶりに家に帰って来る金坊を待ちわびる夫婦。 三遊亭金馬・柳家小三治・古今亭今輔・三遊亭好楽・三遊亭圓楽
20.阿武松 能登の鳳至(ふげし)郡鵜川村字七海の百姓仁兵衛の倅 長吉。歳は二十五。名主の紹介状を持って、京橋観世新道の武隈文右衛門という関取の所に入門して小車というしこ名をもらいます。 この小車、人間離れした大食いで 三遊亭圓生・立川談志・入船亭扇辰
21.初天神 新しい羽織を誂えて誰かに見せたい熊五郎。女房に、今日は初天神だから羽織を出せと言います。 女房は、息子の金坊を連れて行ってくれと頼みます。 桂小三治・笑福亭仁鶴・柳家さん喬・桂文我他
22.妾馬 大家に呼ばれた八五郎。大名・赤井御門守様の側室に上がったお前の妹のお鶴がお世継ぎを産んだ。ついては八五郎にも褒美をくださるので屋敷へ伺うようにと言われます。 立川志の輔・柳家さん喬・三遊亭圓生・古今亭志ん生・古今亭志ん朝・三遊亭金馬・三笑亭可楽
23.雪とん 往来を歩いていると女が一目見たいと押しかけ、役人が金棒で女を払ってようやく道が歩けるほどのいい男の飯島佐七郎。 三遊亭圓生・古今亭志ん生
24.雪の瀬川 本の虫の若旦那を浅草へ 古河で穀屋を営む大店 下総屋善兵衛の若旦那 善治郎。本の虫で毎日家にこもって本ばかり読んでいる。 こもってばかりでは身体に悪いと 柳家さん喬・三遊亭圓生
25.粗忽長屋 八五郎と熊五郎は同じ長屋に住む粗忽者同士。 八五郎が浅草の観音様へお参りに行った帰り、広小路で人だかりがしているのでのぞいてみると、行き倒れで死んでいます。 顔を見せてもらうと、熊五郎によく似ている 柳家小さん・立川談志・柳家小三治他

心が暖かくなる冬の人情噺

年末を題材にした落語はじっくり聞かせる大ネタ揃い。
暖かい部屋で名人の語りを堪能してください。

演 目
概  要
聴き比べ
1.芝浜 天秤をかついで魚を行商している熊五郎。 魚を見分ける目も効き、包丁も一流だが、無類の酒好き。ある日、業を煮やした女房に起こされてしぶしぶ河岸へ出かけ、芝の浜でずっしりと重い財布を拾います。 三笑亭可楽 / 五街道雲助 / 古今亭志ん朝 / 古今亭志ん生 / 柳家さん喬 / 柳家小三治 / 桂三木助(三代目) / 桂雀三郎 / 立川談志
2.文七元結 腕はよいが博打好きで大きな借金を抱えた左官の長兵衛。娘が自ら吉原に身を沈めると聞き・・ 三遊亭圓生 / 古今亭志ん朝 / 古今亭志ん生 / 古今亭菊之丞 / 林家正蔵(八代目・彦六の正蔵) / 柳家さん喬 / 桂ざこば / 立川談志
3.しじみ売り 江戸茅場町の魚屋 和泉屋次郎吉。 裏の顔は鼠小僧次郎吉。 次郎吉がしじみ売りの少年の身の上話を聞いて・・・ 古今亭志ん生 / 林家染二 / 桂子南 / 桂文我 / 桂福団治 / 立川志の輔

寒い夜にはあったかいうどん・そば

江戸の蕎麦に上方のうどん。
寒い夜には楽しい噺を聴きながらあったかい蕎麦やうどんで一杯

演 目
概  要
聴き比べ
1.時そば(時うどん) 「今何刻(なんどき)だい?」。定番の前座噺も名人が演るとこんなにおもしろい。 古今亭志ん朝 / 柳家喬太郎 / 柳家小三治 / 桂吉朝 / 桂文我 / 桂枝雀
2.うどん屋(風邪うどん) かつぎ屋台のうどん屋。酔っぱらいにからまれ、女には怒られ今日はさんざん。 三笑亭可楽 / 柳家小さん(五代目) / 柳家小三治 / 桂吉朝 / 桂枝雀
3.探偵うどん 明治の頃。本所と深川の境にある交番。飛び込んできた男に主人の金三百円を取られたと聞いた巡査は早速非常線を張りますが犯人は見つかりません。 古今亭志ん生

年末の定番 忠臣蔵!

忠臣蔵の落語一覧へ

演 目
概  要
聴き比べ
1.中村仲蔵 「稲荷町(大部屋)」から「名代」となった仲蔵に振られた役は弁当幕と言われる忠臣蔵五段目の定九郎一役のみ。妙見様に役の工夫がつきますように願をかけ。 三遊亭圓楽 / 三遊亭圓生 / 古今亭志ん朝 / 古今亭志ん生 / 林家正蔵(八代目・彦六の正蔵) / 柳家小満ん / 金原亭馬生
2.淀五郎 塩冶判官の役者が急病で、座頭の市川團蔵は相中(あいちゅう)の澤村淀五郎にやってみろと言います。 三遊亭圓生 / 古今亭志ん生 / 立川談志
3.四段目(蔵丁稚) 芝居好きの小僧。朝、使いに行って帰りは夕方。また芝居を見ていたなと怒った旦那が蔵に押し込めますが・・。 三遊亭円歌(二代目) / 古今亭志ん朝 / 桂枝雀 / 桂米朝
4.忠臣ぐらっ 志の輔落語。吉良邸の絵図面を手に入れるため、吉良邸の裏で酒屋を営む町人に身を変えた岡野金右衛門。実は金右衛門、仇討ちに嫌気がさしていて・・。 立川志の輔

初春は高座も客もほろ酔いで

演 目
概  要
聴き比べ
1.初天神 新しい羽織を着て初天神へ行くという熊五郎。女房に息子の金坊も連れて行ってくれと言われ、しぶしぶ二人で出かけます。 春風亭一之輔 / 柳家さん喬 / 柳家小三治 / 笑福亭仁鶴
2.七福神(かつぎや・正月丁稚) 近所の毘沙門天に毎日お参りをしている喜六。居眠りをしておりますと、毘沙門天がやって来て七福神の新年会に連れて行ってやろうと。 三遊亭圓遊 / 桂米朝 / 立川志の輔 / 笑福亭松鶴
3.姫はじめ(宿屋かか)※18歳未満お断り ある宿屋で主人夫婦が、今日は年中行事の姫はじめの晩だ。と話しています。 古女房もこの日ばかりはうきうきとしています。 もう行灯を消そうか(店仕舞)とした頃、垢抜けのした女が泊めてくれと・・ 三遊亭円歌(二代目) / 露の五郎兵衛

エディターズチョイス

心にひびく何回も聞きたい落語

演 目
概  要
聴き比べ
唐茄子屋政談 勘当された若旦那が食うに困って吾妻橋から身投げしようとするところを、叔父さんに助けられて唐茄子の担ぎ売りに。吉原や浅草の風景が目に浮かび、江戸下町の人情があふれる名作です。 古今亭志ん朝 / 三遊亭圓生 / 古今亭志ん生 / 三遊亭金馬 / 古今亭圓菊 / 林家正蔵 / 柳家さん喬
芝浜 人情噺の最高峰。夫婦の情愛が最高潮になったところでのサゲも秀逸で、泣き笑いをしながら胸が暖かくなっているのを感じます。 三笑亭可楽, 五街道雲助, 古今亭志ん朝, 古今亭志ん生, 柳家さん喬, 柳家小三治, 桂三木助(三代目), 桂雀三郎, 立川談志
中村仲蔵 忠臣蔵の弁当幕 五段目の定九郎役を振られた仲蔵の悔しい心情とそれを支える女房。妙見様のご利益を得てついに役の工夫を仕上げて初日に挑む仲蔵。どの場面も目が離せない展開です。 三遊亭圓生・古今亭志ん朝・林家正蔵・古今亭志ん生・金原亭馬生
ねずみ 名工 左甚五郎が仙台一小さな宿屋『ねずみ屋』を助けます。勧善懲悪は日本人好みですよね。 立川志の輔・柳家さん喬・桂歌丸
水屋の富 富くじに当たった水売りの男の気持ち。人生で大切なものは何かを問いかけられているようで、大好きな噺です。 古今亭志ん朝 / 古今亭志ん生 / 柳家さん喬

相撲の落語

演 目
概  要
聴き比べ
花筏 ばかばかしくも手に汗にぎる千秋楽結びの一番。笑い所満載の相撲噺です。 桂米朝・三遊亭圓生・桂枝雀・金原亭馬生・林家染丸・柳亭市馬
阿武松 第六代横綱となった阿武松緑之助の出世噺。みごとなまでの大食ぶりと宿屋の主人や錣山親方の人情が気持いい。 三遊亭圓生 / 入船亭扇辰 / 立川談志
幸助餅 幸助と雷関の涙なくして聞けない人情噺。なつかしすぎる藤山寛美の松竹新喜劇も併載。 林家染丸 / 藤山寛美

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吉原遊郭・花魁の落語

演 目
概  要
聴き比べ
五人廻し 林家正蔵(彦六)演ずるネチネチとイヤミな客に思わず拍手! 遊郭噺は数あれどこれがイチオシ 林家正蔵 / 三遊亭圓生 / 五街道雲助 / 古今亭右朝 / 古今亭志ん朝 / 古今亭志ん生 / 立川談志
明烏 売店の甘納豆が売り切れたという逸話の残る黒門町 文楽、梅干の種をまきちらす志ん朝、どれをとっても名演揃いです。 桂文楽 / 古今亭志ん朝 / 三遊亭圓窓 / 古今亭圓菊 / 林家はな平 / 柳家喜多八 / 立川談志 / 金原亭馬生
居残り佐平次 「付き馬」「突き落とし」と並んで廓噺の三大悪(後味の悪い噺)とされていますが、遊郭の雰囲気を満喫できる名作です。 三遊亭圓生 / 古今亭右朝 / 古今亭志ん朝 / 古今亭志ん生 / 春風亭柳好 / 柳家小満ん / 桂文朝 / 立川志らく / 立川談志
錦の袈裟 隣町の連中に負けじと趣向をこらして吉原に乗り込む若い衆がかわいい。 古今亭志ん朝 / 柳家喬太郎 / 三遊亭金馬 / 三遊亭圓生 / 三遊亭圓楽
幾代餅 両国名物『幾代餅』の由来。紺屋高尾と同じ筋ですがどらかと言うとこちらのほうが好みです。 古今亭志ん朝 / 古今亭志ん生 / 柳家さん喬 / 古今亭菊之丞 / 古今亭圓菊 / 金原亭馬生 / 柳家権太楼

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夢の噺

演 目
概  要
聴き比べ
天狗裁き 男の夢がとんでもない騒動を引き起こす。夢の噺ではイチオシです。 桂米朝 / 古今亭志ん朝 / 古今亭文菊 / 柳家さん喬 / 入船亭扇辰 / 柳家喬之進 / 柳家権太楼 / 桂文珍 / 立川平林
夢の酒 旦那の夢に嫉妬して、義父に夢の場所へ行って文句を言ってきてくれと頼む若妻。 黒門町 桂文楽の名演をぜひ映像で 桂文楽 / 柳家さん喬 / 入船亭扇辰
橋場の雪(夢の瀬川) 人情噺「松葉屋瀬川(雪の瀬川)」を改変したもので、さらに「夢の酒」へと変化します。「夢の酒」とひと味ちがうストーリーをお楽しみください。 柳家三三
鼠穴 弟に渡した三文は兄の愛情か。弟は善人か。奥の深い落語です。 立川志の輔 / 立川談志 / 三遊亭圓生 / 桂福團治 /三遊亭圓楽
心眼 盲目の按摩 梅喜のせつない気持ちや女房のあたたかさが心に染みる。せつない結末の絶滅危惧噺です。 桂文楽

じっくり聴きたい人情噺(世話噺)【上級者向け】

人情噺は、夫婦や親子などの人情を感じさせ、気持ちがやすらぐ噺だと思っておられる方も多いと思います。芝浜唐茄子屋政談藪入りなどが代表格ですね。

広義にはそれも人情噺と言って間違いないなく、むしろこちらが人情噺として定着しつつありますが、狭義では、特に江戸落語界では、落語と人情噺は別物とされていました。

人情噺は、江戸時代に起こった事件や怪談、町人の生活を描いた演目で、歌舞伎で「世話物」と呼ぶことから、落語でも「世話噺」という言い方が定着しています。

一席は40分から1時間程度、ストーリーによっては数回、数十回に分けて口演する「続き噺」の形態をとり、人情噺ができないと真打ちとは認められませんでした。

また、落語はオチのある噺であるのに対して、人情噺にはオチはなく、ドラマの登場人物になりきってストーリーを演じていきます。

演 目
概  要
聴き比べ
穴釣り三次 三筋町の紙問屋 甲州屋の一人娘、今年十七歳のお梅と手代の粂之助の悲恋。お梅を襲った三次と粂之助、兄の玄道の因縁とは 古今亭志ん生
粟田口霑笛竹(あわだぐち しめすふえだけ) 1:29 刀屋の番頭 重三郎が芝の金森家から家宝の刀、粟田口国綱を預かった帰り道、山岡頭巾を被った侍が近づいて粟田口を包んだ風呂敷を奪おうと襲いかかります。 林家正蔵・古今亭志ん生
安中草三 親とも思う恒川半三郎のために盗みを働き、半三郎の身代わりに人殺しの罪を着る草三 三遊亭圓生 / 古今亭志ん生
梅若禮三郎 芸に行き詰まりを感じて、貧乏人を助ける義賊になった能役者の梅若礼三郎。 三遊亭圓生
江島屋騒動(江島屋怪談) おすすめ! イカモノの婚礼衣装のために川に身を投げたお里。母親のお松は衣装を売った江島屋を鬼のようになって呪い・・ 古今亭志ん生・桂歌丸・柳家蝠丸・一龍斎貞水
おさん茂兵衛 おすすめ! 深川仲町の呉服屋の職人、茂兵衛は女嫌いで通っていましたが、上尾の料理屋で見かけたやくざ者の女房おさんを見初めて・・ 三遊亭圓生・桂米朝
お富與三郎 両国横山町のべっ甲問屋 伊勢屋喜兵衛の一人息子与三郎が、博徒の親分の妻お富と惹かれ合ったことで体中を切り刻まれて・・
「いやさお富、ひさしぶりだなぁ~」
五街道雲助 / 金原亭馬生
鬼あざみ 上方にはめずらしい人情噺。子供の頃から手癖が悪く、奉公先を飛び出して東の土地で鬼あざみと言われる悪党になった清吉が 桂文團治
怪談阿三の森 深川牡丹町の近く「阿三(おさん)の森」の由縁。 阿三が恋したのは腹違いの兄 新重郎。 古今亭志ん生
怪談牡丹燈籠 おすすめ! 浪人の萩原新三郎に恋したあげく焦れ死にをした旗本飯島平左衛門の娘お露。 自分のために死んだと聞いた新三郎のもとにカランコロンと下駄の音 三遊亭圓生 / 桂歌丸
怪談累草紙 おすすめ! 与右衛門が巣鴨の実家に帰る途中、宿屋で耳にした上方歌に心を惹かれ、姿かたちを見ないまま契りを結びますが・・ 林家正蔵
怪談乳房榎 おすすめ! 絵師の菱川重信は女房のおきせと息子の真与太郎の3人で幸せに暮らしていましたが、弟子の磯貝浪江がおきせを籠絡し・・ 三遊亭圓生 / 桂歌丸
髪結新三 絶世の美女 お熊。お熊をなんとか自分のものにしようとする新三はお熊が想いを寄せる忠七の名前でお熊を呼び出します。 三遊亭圓生
御家安とその妹(鶴殺疾刃庖刀・つるごろしねたばのほうちょう) 徳川直参の大名 東城左近太夫氏勝。父の形見の陣笠を道頓堀川に落としたのを見事な身ごなしで拾ってくれたのは、十九歳くらいの器量のよい娘。 古今亭志ん生
三味線栗毛(錦木検校) 酒井雅楽頭の次男 角三郎 大名 酒井雅楽頭の次男 角三郎は下々のことが好きで殿様とは意見が合わず、大塚の下屋敷に下げられて、五十石という禄で暮らしていました。 古今亭志ん生・柳家喬太郎
真景累ヶ淵 おすすめ! 落語好きなら一度は聞いておきたい圓朝怪談の最高峰。皆川宗悦殺しに端を発して因縁が因縁を呼ぶ超大ネタ 三遊亭圓生 / 古今亭志ん朝 / 林家正蔵
真景累ヶ淵 おすすめ! 桂歌丸 渾身のライフワーク。圓朝以来の完結編「お熊の懺悔」を加え、通し7時間たっぷり 桂歌丸
心中時雨傘 根津権現の喧嘩祭りで「どっこい屋」という菓子当て物の屋台をしているお初。 歳は二十三、色白で口元が締まり小股の切れ上がったいい女で、婚礼話は数あれど、母親と二人暮らしで嫁に行くと母親が生活できなくなると、断りつづけている孝行娘。  古今亭志ん生
双蝶々 おすすめ! 下谷山崎町の山崎屋という黒米問屋の小僧 定吉。番頭の権九郎を殺害して逐電する 三遊亭圓生・林家正蔵
大丸屋騒動 上方には珍しい世話物 でもオチはあります。妖刀村正を手にした男が自分の意思に反して人を次々と殺めていき・・ 桂文枝 / 露の五郎兵衛
操競女学校(みさおくらべおんながっこう) 孝女の仇討ち二編。お里の伝 麹町表三番町にお小納戸役を努めていた永井源助。ある日、永井が剣術の指南をした旧友、讃岐丸亀の京極備中守の家臣 村瀬東馬が永井を訪ね、村瀬の盟友の姪で十六歳のお里をここで奉公させたいと言う。 三遊亭圓生 / 古今亭志ん生
緑林門松竹(またかのお関) おすすめ! 根津七軒町の医者 山木秀永を殺した新助。新助の狙いは秀永の持つ蒼白譽石(そうはくよせき)という恐ろしい毒だった。耳かき一杯で人は七穴から血を履いて死ぬと言う。 林家正蔵・三遊亭圓生
松葉屋瀬川(雪の瀬川) 古河で穀屋を営む大店 下総屋善兵衛の若旦那 善治郎。本の虫で毎日家にこもって本ばかり読んでいる。 こもってばかりでは身体にも良くないと両親が.. 柳家さん喬・三遊亭圓生
吉原綺談(芳原奇談雨夜鐘より) 下谷長者町の八文湯から出てきたお仲。歳は十七で大変な美人。 その後ろ姿を見送っていたヤクザの権次。「いい女だ。あんないい女を磨いていい成りをさせればたまらない」と・・ 古今亭志ん生