志ん朝の落語 全6巻 (ちくま文庫)に収録された71席の聴き比べです。ごゆっくりどうぞ。

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志ん朝の落語 1 男と女


志ん朝の落語〈1〉男と女 (ちくま文庫)
「古臭い噺に一カ所だけ風穴を開ければいいんだよ」。古典を演じながらも、絶妙の間、雰囲気を壊さない新鮮なくすぐり、持ち前の明るさと品のよさとで、類稀なる落語世界を作り上げた、古今亭志ん朝。その落語を活字で再現!第一巻は「男と女」。志ん朝ならではの色気漂う噺集。各話に編者解説、口絵に志ん朝の高座姿と遺品のノートの写真を入れる。「明烏」「品川心中」「厩火事」「お直し」他十二編。(志ん朝の落語 ノートより)

演 目
概  要
聴き比べ
1.明烏 雌猫が近寄ってもダメなほど晩生(おくて)で、本ばかり読んでいる日本橋田所町・日向屋半兵衛のせがれ時次郎。 固いのは良いが固すぎるのはいけないと、旦那が町内の遊び人に頼んで 桂文楽・古今亭志ん朝・三遊亭圓窓・古今亭圓菊・林家はな平・柳家喜多八・立川談志・金原亭馬生
2.品川心中 品川遊郭の白木屋でずっと板頭(いたがしら)を張っていたお染。 トウが立って来まして小じわを白粉で隠し、この間まで鼻先であしらっていた子供にいい客がついて自分が二番三番に。 三遊亭圓生・古今亭志ん生・古今亭志ん朝・桂文明
3.厩火事 髪結いの女房が大家さんのところへ駆け込み、亭主には愛想がつきた、大家さんには仲人をしてもらって申し訳ないけれど別れたいと言い出します。 大家が亭主の悪口を言い「じゃ別れちまえ」と言うと女房は、、< 古今亭志ん朝・古今亭志ん生・桂文楽・柳家小三治・三遊亭圓楽
4.お直し 盛りを過ぎ、毎晩お茶を引いてばかりの(客がつかない)花魁。牛(ぎゅう・牛太郎・若い衆と言われる店の男衆のこと)に気を落とすなと励まされ 古今亭志ん生・古今亭志ん朝
5.お若伊之助 日本橋石町で「栄屋」という大きな生薬屋がありました。 この一人娘、名をお若といい、歳は十八 今小町と言われる美人。 お若が流行りの一中節を習いたいと言うので 古今亭志ん朝・三遊亭圓生・桂歌丸・古今亭志ん朝
6.駒長 借金だらけの長兵衛とお駒の夫婦。 お駒がどうするのだと聞きますと「あれば返すがないものはしょうがない」 俺にいい考えがある。あの丈八、借金が取れないと思いながらお前を目当てに通って来る。 お前は丈八と … 古今亭志ん生・古今亭志ん朝
7.三年目 他人も羨む仲の良い夫婦、妻がふとしたことから病の床につき、主人も一生懸命看病をしますが六人変えた医者もさじを投げ、もう今日か明日かという状況になり、、 三遊亭圓生・柳家小三治・古今亭志ん朝・柳家小三治・三遊亭圓楽
8.崇徳院 恋煩いの若旦那のために崇徳院の句を手がかりに奔走する熊五郎 桂枝雀・古今亭志ん朝・桂米朝・金原亭馬生・三遊亭百生・桂三木助・三遊亭園楽
9.搗屋幸兵衛 長屋の家主 幸兵衛。女房をはじめ長屋を回ってはのべつ小言が絶えないので人呼んで小言幸兵衛。 この幸兵衛のもとに、部屋を借りたいという豆腐屋が入ってまいります。 三遊亭圓生・古今亭志ん朝・古今亭志ん生・柳家さん喬・柳家小さん・桂文楽・桂歌丸・立川談志
10.真景累ヶ淵 豊志賀の死 お園が死んで十七年の歳月が経ち、お園の姉のお志賀も三十九歳、根津七軒町で富本の師匠、富本豊志賀となっています。 三遊亭圓生・林家正蔵・古今亭志ん朝
11.文違い 内藤新宿の遊女お杉、馴染みの半七に「今、お父っつぁんが来て、これっきり親子の縁を切っても良いから二十円を用立ててほしいと言ってきた。お前と一緒になるのに親は面倒だから 三遊亭圓生・古今亭志ん朝・古今亭志ん生・三笑亭可楽
12.締め込み 日の暮れ方にある長屋に入った泥棒、風呂敷に着物を包んでさて逃げようと思ったところに家人の帰って来る足音。 長屋の一方口で裏口もありません。仕方なく風呂敷を置いたまま台所の板を上げると糠味噌桶の裏へ・・ 古今亭志ん朝・桂文楽・古今亭右朝

志ん朝の落語 2 情はひとの…


志ん朝の落語〈2〉情はひとの… (ちくま文庫)に収録された11席の聴き比べです。

演目:
子別れ(下)・井戸の茶碗・唐茄子屋政談・刀屋・百年目・おかめ団子・火事息子・佃祭・柳田格之進・甲府い

演 目
概  要
聴き比べ
1.子別れ(子は鎹) 腕はいいが酒好き遊び好きの大工の熊五郎。女房と別れて三年後、改心して真面目に働いている熊五郎は、木場へ向かう途中に偶然息子に出会い、母子が苦労をしているのを聞きます。翌日息子に鰻をご馳走すると約束をして。。。 古今亭志ん朝・三遊亭圓生・古今亭志ん生・立川談志・笑福亭松鶴・三笑亭可楽
2.井戸の茶碗 屑屋を営む「正直清兵衛」が、立ち寄った誓願寺棚の裏長屋で、身なりは粗末だが美しい娘に声をかけられて屑を引き取りに入ったのが、千代田卜斎という浪人の家。 屑だけではいくらにもならず、頼まれて仏像を預かります 柳家さん喬・古今亭志ん生・古今亭志ん朝・立川志の輔
3.唐茄子屋政談 商家の若旦那の徳三郎、吉原通いが過ぎて家にもなかなか帰ってこない。道楽をやめなければ勘当だと言い渡されますが、「勘当?結構、お天道さまと米のメシはついてまわりますから。さいならっ」と家を出て行ってしまいます 古今亭志ん朝・三遊亭圓生・三遊亭金馬・古今亭圓菊・古今亭志ん生・林家正蔵・柳家さん喬
4.刀屋(おせつ徳三郎・中) 日本橋横山町の大店の娘おせつは、評判の器量よしで山ほどの縁談が来ますが首を縦に振りません。旦那は頭を抱えますが、おせつが手代の徳三郎とできているという噂を聞き、先日花見に出かけた娘と徳三郎にお供をした小僧から、二人の様子を聞き出します。。 柳家小さん・古今亭志ん朝・古今亭志ん生・三遊亭圓生
5.百年目 春、桜は満開。しかし、大店に勤める番頭は今日も小僧たちに小言を言い、得意先廻りをすると言って出かけます。近くでお婆が営む駄菓子屋の二階で立派な衣装に着替えると、幇間や芸者衆の待つ屋形船に乗り込み 桂米朝・三遊亭圓生・古今亭志ん生・古今亭志ん朝・桂小南・立川志の輔
6.おかめ団子 人情噺 麻布名物おかめ団子の一席。江戸時代に飯倉片町に「おかめ団子」という団子屋がありまして、大層流行っています。 ここの一人娘のおかめというのが美人で、 古今亭志ん生・古今亭志ん朝
7.火事息子 ある冬の夜、神田三河町の伊勢屋という大きな質屋の近所が火事になります。 風上なので飛び火の心配も無いだろうとは言いながら、人様のお品を預かる商売、蔵に目張りもしていないようなことでは店の信用に関わると 古今亭志ん朝・三遊亭圓生・古今亭志ん生・林家正蔵
8.佃祭 古今亭志ん朝 神田お玉ヶ池の小間物問屋の主人次郎兵衛。今日は楽しみにしていた佃島・住吉神社の大祭が開かれますので朝からうきうきと支度をしています。 悋気持ちの女房は「祭りが白粉をつけて待っているんでしょ!」 古今亭志ん朝・三遊亭金馬・古今亭志ん生・春風亭柳朝
9.柳田格之進 両替商越前屋の当主、作左衛門とこの店の近くの裏長屋に娘と住む浪人の柳田格之進。 格之進と作左衛門とは碁仇で、毎日のように越前屋の離れで碁を囲んでいます。 夏のある日、碁に夢中の作左衛門のところに 立川志の輔・古今亭志ん生・志ん朝
10.甲府い 豆腐屋の店先で卯の花を盗み食いした男を、店の若い者が殴っています。 出てきた主人が店の者を諌め、男に事情を聞ますと、 私は善吉と申しまして、早くに両親を亡くし・・ 古今亭志ん朝・柳家小三治・三笑亭可楽・春風亭小柳枝
11.文七元結 江戸、本所達磨横町の左官長兵衛。 左官としての腕は一流ですが、博打好きが高じて半年以上仕事もせずに借金を抱えています。 古今亭志ん朝・桂ざこば・三遊亭圓生・古今亭志ん生・立川談志・金原亭馬生・柳屋さん喬・柳屋権太郎・柳屋小三治

志ん朝の落語 3 遊び色々


志ん朝の落語〈3〉遊び色々 (ちくま文庫)
「狼にはヨイショがきかない」。「愛宕山」の口演で口にしたくすぐりは、観客の度肝を抜き、満員の劇場が床ごと一尺も持ち上がったようなどよめき笑いが起きた。志ん朝の明るさと工夫が冴えわたる「遊び色々」の巻には、「愛宕山」「寝床」「三枚起請」「居残り佐平次」「蔵前駕篭」「五人廻し」「干物箱」「付き馬」「羽織の遊び」「花見の仇討」他全十二編を収録。

演 目
概  要
聴き比べ
1.愛宕山 明治の初年頃の春先。
大阪ミナミの幇間 一八と茂八の二人。仲良く御茶屋をしくじりまして、つてを頼って京都祇園町で働いています。室町あたりの旦那が野掛けでもしようと、芸者や舞妓、幇間を引き連れて祇園町から鴨川を渡り西へと進んでまいります。
古今亭志ん朝・古今亭菊之丞・桂吉朝・桂文枝・桂文楽・桂米朝
2.寝床 下手な義太夫に凝っている商家の旦那。今夜もみんなに聞いてもらおうと長屋の連中を呼び集めますが、店子たちはさまざに事情を作って誰も聞きに来ません。 店の者も仮病を使って誰ひとり出てこず、怒った旦那は 三遊亭圓生・三遊亭金馬・古今亭志ん朝・古今亭志ん生・桂枝雀・桂雀三郎・立川談志
3.三枚起請 下駄屋の喜六が仏壇屋の源兵衛のところにやってきます。 源兵衛は、今までお前の母親が来ていて夜泊まり日泊まりして帰ってこない、 博打でもしているのではないかと心配していたと話します。 古今亭志ん朝・古今亭志ん生・柳家さん喬・桂文枝・桂米朝
4.佐々木政談 名奉行で知られた佐々木信濃守が市中の見回りをしていますと、奉行の裁きを真似ている子供たちがいます。 近寄っていきますと、下役の子供が「こら! 吟味の邪魔だ向こうへ寄れ!」と追い払われます。 古今亭志ん朝・桂枝雀・三遊亭圓生・桂米朝
5.居残り佐平次 貧乏長屋の連中を連れて品川遊郭に来た佐平次という男。 翌日、連れを帰しますが自分は居残りをします。 連日飲み食いをしながら、勘定を催促されると、連れが持ってくると言って取りあいません 三遊亭圓生・古今亭右朝・古今亭志ん朝・古今亭志ん生・春風亭柳好・柳家小満ん・桂文朝・立川志らく・立川談志
6.蔵前駕篭 尊皇攘夷を掲げた浪士が勤王と佐幕に分かれて街にあふれていた頃。 夕刻から駕籠で吉原へ行く上客を狙い、浪士たちが徒党を組んで蔵前通りのあちこちで追い剥ぎが横行します。 古今亭志ん朝・三遊亭金馬・立川談志・五街道雲助
7.五人廻し 明治初めの吉原。売れっ子の花魁喜瀬川を待っていますが夜が更けても一向に現れない。 寝ずの番の若い衆(牛・ぎゅう)が、男の部屋に入ります。 一人目は江戸っ子。こちとら三つの時から吉原に通ってんだ、 三遊亭圓生・古今亭志ん朝・古今亭志ん生・林家正蔵・立川談志・五街道雲助・古今亭右朝
8.干物箱 遊びが過ぎて父親に外出を禁止された若旦那。 気晴らしに湯にでも行ってくるか、ただし一時間で帰ってこいと言われた若旦那、一計を案じます。 本屋の善公は声色が得意。自分が花魁と会ってる間に善公に 古今亭志ん朝・古今亭志ん生・金原亭馬生・五街道雲助
9.付き馬 ある男、吉原でバカ騒ぎをした翌朝、牛(ぎゅう・店の若い衆)が部屋に入ってきて勘定の催促をします。 男は吉原の中のお茶屋に手紙(請求)を書いたが判を忘れたので自分で訪ねようと思う。一緒に行かないかと誘い、 古今亭志ん朝・三遊亭圓生・三遊亭金馬・古今亭志ん生・立川談志・三笑亭可楽
10.羽織の遊び
11.お茶汲み 吉原の安大黒に上がった男、相方の花魁が部屋に入るなり悲鳴を上げて逃げ出してしまいます。 しばらくして戻ってきた花魁にどういうわけだと聞けくと、 桂歌丸・古今亭志ん朝・柳家小三治
12.花見の仇討 仲の良い四人組が花見に行く話をしています。ただ花見だけしてもしょうがないので江戸中の話題になるような趣向を考えよう、巡礼兄弟の仇討ちってのはどうだ。 柳家小三治・桂南光・三遊亭圓楽・三遊亭金馬・立川談志

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