『お笑い・漫才芸人列伝』
古今東西のお笑い・漫才芸人の貴重な映像・音声を集積。
明治・大正・昭和・平成・令和の数々の芸人を、映像と音声で紹介します。
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勘当?結構、お天道さまと米のメシはついてまわりますから
古今亭志ん朝 唐茄子屋政談【動画】
https://www.veoh.com/watch/v120425941Fj9r52bf (動画)
上段
商家の若旦那の徳三郎、吉原通いが過ぎて家にもなかなか帰ってこない。道楽をやめなければ勘当だと言い渡されますが、「勘当?結構、お天道さまと米のメシはついてまわりますから。さいならっ」と家を出て行ってしまいます。
なじみの芸者や幇間のところに居候をしますが、いつまでもいい顔はしません。それを察した徳三郎、行くところがなくご飯も食べられず、こんなつらい暮らしをして弱って死んでしまうならばと、吾妻橋から身を投げようとします。
それを止めたのが、偶然通りかかった叔父さん。「なんだ、おめえか。おめぇなら止めるんじゃなかった。」と言いますが、結局家に連れて帰ります。
翌日、叔父は若旦那に「唐茄子の行商をしろ」と言います。「格好悪い」という若旦那に「なら、もとの汚い着物に着替えて出て行け!」としかりつけます。天秤棒をかつがせ、弁当を持たせ「時分時になったら家の軒を借りてお茶か水をもらって食べろ」と外へ送り出します。
箸より重いものを持ったことのない徳三郎、田原町まで来ますが肩に食い込む天秤棒と夏の日差しにフラフラとなり、倒れて唐茄子が散乱してしまいます。親切な職人風の男が事情を聞き、近所や通りががりの人に声をかけて売りさばいてくれます。
二つ残った唐茄子をなんとか自分で売ろうと、売り声の練習をしようと田の中へ。あぁ、ここは吉原田んぼ、吉原が向こうに見えます。ついこの間まで楽しく過ごした花魁のことを思い出し、売り声が”うた沢”や”薄墨”になってしまいます。
下段
残った二つの唐茄子をかついで誓願寺長屋(せいがんじだな)に入ってきた徳三郎。着ているものはひどいが品のある女が「唐茄子を売って欲しい」と言います。徳三郎は、一つの値段で二つを買ってもらえないかと言い、その家の軒先を借りて弁当を使わせてもらうことにします。
そこにいた五歳ばかりの子供が弁当をじっと見ています。女に「ご飯を食べさせない折檻でもしているのか」と聞きますと「自分が体調をくずして働きに出ることができず、三日ほどご飯を食べさせることができない、できれば隣の家で食べてほしい」と言います。
自分もひもじい思いを経験し、気の毒に思った徳三郎、弁当を子供にあげ、売上を残らず女に渡して逃げるように帰ります。
叔父さんの家に帰ってきた徳三郎、「こういうわけで全部売れたが売上金はない」と言います。「お前を疑うわけではないが本当かどうか確認する」と叔父さんと一緒に誓願寺棚へ行きますと、おかみさんは居ない様子。隣に聞くと「八百屋さんが帰ったあと、おかみさんはは後を追いかけたのだが、その様子を見ていた大家が店賃の足しだと言って財布ごと取り上げてしまった。大家に金をとられて八百屋さんに申し訳ないと首をくくった。皆で助けて医者に運び、命はなんとか取り留めた」という。
怒った徳三郎、大家のところに乗り込みます。
覚書
江戸の人情がぎっしりと詰まった名作です。上方では南京屋政談、南京政談として語られますが、やっぱりこの噺は江戸ですね。
叔父さんが身を投げようとしたのが徳三郎だとわかり「おめえなら助けるんじゃなかった、飛び込んじまえ!」という場面は、血の繋がった、小さい頃から可愛がっていた甥のことを心配しながらも突き放す気持ちの揺れが醍醐味です。
倒れた徳三郎の事情を聞いて唐茄子を売りさばいてくれる男の場面では、江戸っ子の気さくな人情が感じられて気持ちが暖かくなります。
そして上段最後の徳三郎。花魁の思い出が湧き、つい、”うた沢(うたざわ)”が出るが、唐茄子の売り声に戻して、商売をしていこうという決意が見えるなんとも言えない情緒のあるいい場面です。
大抵は上段で切ってしまうことが多く、下段は語られることが少なくなってますが”やかんぽかん”が醍醐味でもあり、”政談”というところからも上下合わせて聴きたいところです。
三遊亭圓生~唐茄子屋【動画】
古今亭志ん生~唐茄子屋政談(上・下)
立川志の輔~唐茄子屋政談
落語 唐茄子屋政談(Spotify)
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柳家さん喬/唐茄子屋政談(1/2)
柳家さん喬/唐茄子屋政談(2/2)
金原亭馬生/唐茄子屋政談
コメント
[…] 『唐茄子屋政談』『孝行糖』など、商売の噺のマクラで披露されますが、宮田氏はこれ専門。 […]
[…] 「唐茄子屋政談」を思い出す方がほとんどだと思いますが、落とし噺になっています。 […]
[…] 若旦那が勘当されて、川へ飛び込もうとして止められて”というお決まりの筋で、「唐茄子屋政談」のような山場もないせいか、二代目円歌以降は演り手がなくなってしまっています […]