加賀の千代~橘ノ園都・春風亭一之輔・入船亭扇橋



朝顔や釣瓶とられてもらひ水

加賀の千代~橘ノ園都


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大晦日に借金の算段ができない喜六夫婦。

女房が近所のご隠居に借りておいでと言い出します。
喜六は、ご隠居にはたびたび借りていてダメだと言いますが、女房は、あの隠居さんはお前さんを可愛がってくれているんだから貸してくれるよと自信のある様子。

子でも孫でもないものが可愛い訳はないだろうという喜六。しかし女房は犬や猫が好きな人は膝へ抱いたり懐へ入れたり。植木も好きな人は毎日世話をするし、朝顔だって可愛がる人がいる。

昔、加賀の国に千代と言う人がいて、井戸へ水汲みに行ったら朝顔の蔓が釣瓶に捲きついてきれいな花を咲かせてた。水を汲むには朝顔の蔓を切らなくちゃいけないけど、切るには忍びないと近所の家で貰い水をした。

それを『朝顔に釣瓶取られて貰い水』と句にしたためた。朝顔だって可愛がる人がいると説明します。

感心した喜六、それなら行ってみるかと腰を上げますと、女房は喜六に手土産として饅頭を持たせ、お金は八円五六十銭あれば間に合うが、二十円必要だと言いなさい。

二十円と言って半分の十円貸してくれれば事は足りるが、十円と言って半分の五円だと足りない。掛け値で二十円と言うんだよ、と送り出します。

覚書

橘ノ園都が昭和二十年代に上方俄(ニワカ)を落語に焼き直した新作落語で、戦後すぐの頃から、前段に「掛取り」のやりとりを入れて持ちネタにしていました。

東京の三代目桂三木助の前座名が「橘ノ園」であったことから園都に挨拶に行き、珍しい噺を教えてほしいと言ってこの「加賀の千代」を伝えたといいます。

上方ではあまり演る人もいなくなった噺ですが、東京では春風亭一之輔が高座にかけて好評を得ており、園都の噺が若い世代に受け継がれていくのはうれしいことです。

千代の句は「朝顔に」というのが一般的ですが、直筆の掛け軸では「朝顔や」と切っており、こちらのほうが前後の関係は薄くなるもの朝顔の情景が鮮明になるように思いますので表題ではこちらを使いました。

加賀の千代~春風亭一之輔

加賀の千代~入船亭扇橋

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