つづら(つづら間男)~五街道雲助



間男は七両二分と値が決まり

つづら(つづら間男)~五街道雲助


外から帰ってきた子供が母親のお兼に、友達がそんな雑布みたいな汚い着物を着てる奴のそばへ寄ると汚れると言って遊んでくれないと泣きます。

今縫っているのはお前の着物だよと、着せてやりますと喜んで遊びに行きます。

亭主の由が帰り、金を借りることはできなかった。鬼熊の連中が博打の借金を毎日のように仕事場や仲間の家まで押しかけて催促をする。
博打などに手を出すんじゃなかったと後悔しています。

翌日、成田の叔父に相談をしに行く、帰りは明日か明後日と言って家を出た由が荒物屋に呼び止められます。

角の荒物屋にちょっと話があると言われて入りますと、お前の女房が伊勢屋の旦那と間男をしていると言います。

由はしばらくここで時間を繋がせてもらいたいと言って奥へ入ります。

夜になり、伊勢屋の旦那がお兼を訪ね、酒と肴を出して一杯やっているところへ由が帰ってきます。

お兼が旦那をつづらへ隠して表を開けますと、入っきた由が何故下駄がある、なぜ酒を用意してあると問い詰めます。

このつづらの中だなと開けようとしますとお兼は「腹が立つならあたしのことを気の済むまでおぶち。いくらぶたれてもかまわない。だけどそのつづらだけは開けちゃいけない」とすがります。

鬼熊が手を引いたのはお金を払ったからと思わないのか、あれだけの借金は生涯働いたって返せやしない。

いくらお前が頭を下げても誰も貸してくれない、お前にもしもの事があったり、あたしが売られるようなことがあれば可愛そうなのはこの子だ。

そうならずに済んだのは、みんなそのつづらのおかげ。子供の着物も三度の飯もみなそうだ。

そのつづらを開ければ、お前は恩知らずどころか美人局になる。悪いのはあたし一人でいい。開けちゃいけない。そのつづらは開けちゃいけない。

これを聞いた由は「開けない。しかしお前にも開けさせない」とつづらを紐で縛り、担いで伊勢屋へ向かいます。

覚書

別題「つづらの間男」「成田の間男」。
戦時中の禁演落語のひとつで、大変めずらしい噺です。

十代の金原亭馬生が八代桂文治から教わって十一代馬生や五街道雲助に伝えています。

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