お祭佐七(雪とん)~三遊亭圓生・古今亭志ん生






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圓生、志ん生のお祭佐七 二編

お祭佐七~三遊亭圓生

往来を歩いていると女が一目見たいと押しかけ、役人が金棒で女を払ってようやく道が歩けるほどのいい男の飯島佐七郎。この人が行く所いつもお祭りのようになる、また木遣りが上手く祭りになるとこの人がいないと祭りが引き立たないというので、方々の祭りに誘われてお祭りには必ずこの人の姿があったために人呼んで”お祭り左七”。

もと久留米藩士で文武の道に心得があり、人物も良いが、あまりにいい男だったので女中衆が騒いて、ねたみから城を追い出され、親からも勘当されます。

こんな窮屈な世界にいるよりはと社会のためになる町人のためになる仕事をしたいと、父親が世話をしていた 火消しめ組の頭 清五郎に頼みます。清五郎は「火消しというのはやくざ商売だから」と断りますが、勘当になって行き場がないと、ここの居候となっています。

ある日、清五郎が若い者を呼んで「この頃 若旦那の姿が見えないが」と聞きますと、品川の遊郭で居残りをしていると言う。佐七は「どうしても火消しになりたいので若い者と兄弟分になりたい。顔つなぎのために皆を女郎買いにでも行きたいが金がないので居残りをする」と言い出したのだと言う。

清五郎は勘定を持たせて迎えに行かせようとしたところへ左七が帰ってきます。左七が言うには、今日の朝早く、若い者が雑巾掛けをしているのを見て自分もやると雑巾を受け取って拭くと思いの外見事で、部屋から女郎達が出て称賛した。”この機をはずさず”と人がいない折を見計らって逃げ出してきたのだと言う。

左七が湯に行きたいと言って出かけたあと、若い者達は清五郎に「佐七を鳶にしてもらいたい、いい男の上に力もあるから」と頼みます。「この間、二十人力という米屋の四紋龍という男に左七が喧嘩を売り、殴りかかってきたところを担いで投げた。四紋龍は金物屋の店を通り越して、砂糖屋の店先に積んである砂糖の中に入って気を失ってしまった」カツを入れて息を吹き返した四紋龍の肩をたたいて「もう一度喧嘩をやり直すか」と言ったら真っ青になって逃げ出したと言う。

雪とん~古今亭志ん生

田舎の若旦那が臥せっているので宿のおかみが聞き出すと、本町二丁目の糸屋の娘に恋煩いをしていると言う。

この娘は男嫌いと評判だから無理だというおかみに、交わした盃だけでも持って帰ればあきらめがつくと言います。

おかみが話を通して、今晩糸屋を訪ねてよいと聞いた若旦那。
大雪の中、喜んで糸屋に向います。

覚書

圓生の『お祭り左七』は、歌舞伎の『江戸育お祭佐七』の前日譚といったもので、志ん生の『雪とん』は名前こそ左七、小糸といった名前はあるものの完全な落とし噺です。

歌舞伎では、鳶となった左七が柳橋の芸者小糸といい仲になり、小糸を自分のものにしようとしている加賀藩士の倉田伴平から逃げてきた小糸を自宅に匿います。小糸の養母おてつが鳶の頭 勘右衛門に頼み、小糸が家に帰ると倉田伴平が待ち受けており、小糸の父は自分の叔父、梅田八太夫だと言い出します。

左七の父親が加賀藩の梅田八太夫に殺され、母親もその後亡くなったために「加賀藩は親の仇だ」というのを聞いていた小糸は、自分と左七は敵同士であったかと泣き、左七に別れを告げます。梅田八太夫の娘が小糸だというのは、左七の身の上話を立ち聞きしていたおてつの作り話だったが、左七は小糸が自分と別れたいためにそんな嘘を言ったと思い込み、小糸を待ち伏せして殺してしまいます。

苦しい息の下で小糸が「最後に読んでほしい」と渡した手紙には、小糸が左七と一緒になれないことを苦に、自害をしようとしていたと書かれてあり、左七は小糸の心を知って嘆きます。そこへ小糸を追ってきた倉田伴平と斬り合いになり、倉田を殺し、おてつを殺すという展開になります。

左七が実在の人物かどうかはさておき、南品川の天妙国寺の墓所に半鐘型の墓石があり、これがお祭り左七の墓だと言われています。

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