羽衣の松~古今亭志ん生



羽衣を我に返したまえ

羽衣の松~古今亭志ん生


美人の総取締りが天人。本当の美人だそうですが、この天人が東海道の三保と言う所へ降りた事がある。

あまりに眺めが良いので少し休んでいこうと、着ていた羽衣を脇の松へ掛けます。
その松を「羽衣の松」と言う。

羽衣を掛けておいて、海に入っていますと、伯梁(はくじょう)と言う漁師が通りかかります。

呑む打つ買うの三道楽でへべれけに酔ってここを通りますと、嗅いだ事のない良い匂いがする。見ると、松へ羽衣が掛かっています。
降ろしてみて「柔らかい良い品物だ。これなら一杯呑める」と持って行こうとします。

その後から追って来た天人が「それは天人の所持なす羽衣と申すものなり。みだりに下界の人の持つものにあらず。我に返したまえ」と金鈴を振るような声を出します。

こっちは酔っているから「拾えば俺のもんだ。くずぐず言うと破いてしまうぞ」。

傍若無人な振る舞いに、今はさながら天人も、衣を取られた羽抜け鳥。帰航の道も絶え果てて、登らんとすれど、翼無く、下界なる人の汚れを受けねばならぬ、これはどうしたら良かろうと、げに、天人の憂うる時は、花の冠もしのぶとやら。

天人が涙を浮かべて下を向き、一陣の風に天人の裾が揺れて肌が見えたのを見た伯梁は、これが世に言う天人か。俺も男と生まれたからには、こう言う女を女房にしたい。三日でも良いから俺と夫婦にならないかと言います。

天人は「我にその衣を返したまえ」と言いますが、伯梁は承知しません。「これを返せば、お前はどっかへ飛んで行ってしまうだろう。三日でも良い、一緒になったら返そう」

覚書

志ん生病後の高座、語り口が少し戻っていますので二三年後でしょうか。
「あっちの方へ行きかけたんですが、またこっちへ帰ってきちゃった」なんて・・

日本の昔話の代表格で、能や歌舞伎舞踊でも有名な羽衣伝説。
落語になると天女も狡猾になるようで。

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