おすわどん~桂歌丸



「おすわど~ん おすわど~ん」

おすわどん~桂歌丸

下谷阿部川町で呉服商を営む上州屋徳三郎。妻のおそめと大変に仲良く暮らしておりましたが、おそめがふとした風邪がもとで患いつき、ついに医者もさじを投げる状況になります。

おそめが徳三郎を枕元に呼び、私はそろそろお迎えが来そうに思います。あなたは後添いをもらうと思いますが、あなたにも店の奉公人にも尽くせば良し、そうでない人が来た時に悲しい思いをするのはあなたでございます。

それだけが心残りと言って、それから三日目におそめは息を引き取ります。立派な葬儀を出して一周忌を済ませた日、親戚一同が、今まで奥で使っていた女中のおすわを後添いにどうかとすすめます。

おすわが後妻となり、おそめにも増して徳三郎に尽くし、奉公人にも気をつかって皆何の不足もなく暮らしだします。

二十日ほどが過ぎたある晩、徳三郎が夜中に小用に行って部屋へ戻ろうとすると、表の戸をバタバタ、バタバタと叩くような音がした後、「おすわど~ん。おすわど~ん」というか細い声が聞こえてきます。

その日は気に留めませんでしたが、次の晩もその次の晩も同じ時刻に「おすわど~ん」と聞こえてくる。

これが奉公人にも知れ、先妻のおそめが恨んで幽霊となって出てきているのに違いないと怯え、これを聞いたおすわどんも気を病んで患いついてしまいます。

徳三郎は誰かの嫌がらせだろうと、番頭に正体を突き止めるよう頼みますが、番頭はお暇をいただきますと逃げ腰。しかたがないので町内に住む剣術の先生 荒木又ずれに頼みます。

覚書

怪談味もある滑稽噺です。あまり演り手はいないようですが「してやられた」という感じはあり、なるたけ前半をシリアスに演って怖がらせておくのがいいですね。

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