けんげしゃ茶屋~桂米朝【動画】


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粟餅を持ってお茶屋へ

けんげしゃ茶屋~桂米朝【動画】

大晦日。商家の奥では春を迎える準備で忙しく、店のほうでも節季の勘定で忙しい。旦那は邪魔にされて行き場がなく散歩をしています。又兵衛と出逢い「大晦日に茶屋遊びもできずこんな寒空にブラブラと歩いているのだ」と言いますと、又兵衛も「借金取りが諦めるまで外を歩いてる」と言う。

旦那くらいの顔であれば大晦日であろうが盆であろうがお茶屋は嫌がらないだろう、お供しますよと誘いますが、旦那はこの間悪戯が過ぎて新町には行けなくなってしまったのだと話し始めます。

幾代餅の餡をつけずに粟餅のまま、なるべく不細工に作らせたものを五つ六つ竹の皮へ包ませて、新町の馴染みの店に行った。わざと浮かない顔して、盃にも手を出さず「ちょっとお腹の具合が悪い。出すものを出したらスッとするからオマルを持って来てくれ」

お座敷へそんなものは出せないと言うので、みんなの隙を狙って、粟餅を一つ足の間へ落とし、気分が直ったから呑みなおそうと盃を取り上げる。「旦さんお腹の具合は?」と聞くので「お前が、オマルは出せないと言ったのでじかにやってしもた」立ち上がったら足元に転がっている。

皆びっくりして大騒ぎするところを「わしの体から出たものだから自分で片付ける」とつまんで食ったらえらいことなった。種明かしをして、幇間の一八に「お前が趣向を見破って”旦那さまの体から出たもの、何のきたないことがあるか”とこれを食っていたら祝儀の百円でもやったのに」と言っていると、今度は本当に手水へ行きたくなった。

一八が便所の入口まで付いて来るので悪戯気が起こって、今度はほんまもんを一つ落とした。一八がそれをつまんで鼻先へ持って行った時の顔といったら・・それが新町中の評判になって、わしが道を歩いてると「ババの旦さんが来はった。あれが有名なババの旦那や」と恥ずかしいやら、面目ないやら、もう新町は通れなくなり、この頃はミナミの方へ行っている。

ミナミで馴染みになった国鶴という芸者に店を持たせたが、この家は、本人はもとより両親まで揃ってけんげしゃで、カラスの鳴いたのがいいとか悪いとか箸がこけたのがどうとか、一日中そんなことばかり言っている。呑みながらちょいちょいとゲンの悪いことを言うと嫌がって顔に稲妻を走らすのが面白く、それを肴に呑んでいる。

明日の元日、又兵衛に十人ほど集めて白装束、麻の裃を着せ、手に位牌や香炉を持たせて葬礼の行列を作り、店に来て「冥土から死人(しぶと)が迎えに来た」と言え。後はワシに趣向があると言って次の日、元日を迎えます。

覚書

「ところどころ通じないところがあっても、何となく判るものです。古い落語をやる時、私はそれで良いと思っています。」と、米朝はごく普通に演じていました。

確かに、
けんげしゃ・・縁起をかつぐ人
葬礼(そうれん)のいろ・・葬式の行列に加わる時に着る白衣や麻の裃
こんまき・・昆布巻き。
しぶと・・死人。
知らす・・人に連絡する
など今は使われなくなった古い上方言葉が多く出てきますが、理解できないものではなく、逆にこれらの言葉によって昔の大坂の景色が見えるように思います。

東京では『あわもち』または『粟餅の女郎買い』の題で、橘家圓蔵や五街道雲助などが持ちネタにしています。舞台を吉原に移し、若い衆が集まって粟餅を買い、店に上がります。途中で与太郎の具合が悪いからと布団を敷かせ、与太郎が厠へ行くと「あいつはきっと寝糞をたれている」と布団をめくると粟餅。

友達のものだからと皆でこれを食べ、見ていた店の者が大騒ぎしているところへ与太郎が帰ってきて「みんな食べてしまったな。そう思っておらの分は神棚に上げてある」と言います。店の者が「そんなものを神棚に上げるなんてバチが当たる」と言いますと、与太郎が「なあに大丈夫。食べる前にお初に上げたんだ」でサゲになります。

桂文珍 けんげしゃ茶屋

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