万病円~古今亭志ん公・三遊亭金馬






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古今東西のお笑い・漫才芸人の貴重な映像・音声を集積。
明治・大正・昭和・平成・令和の数々の芸人を、映像と音声で紹介します。

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万病円~古今亭志ん公

ある湯屋の番台に男が来て「湯の中でふんどしを洗っている侍がいる」と苦情を言っています。「仕事前に湯で体を清めに来ているのに」と怒り、湯銭を返せと言います。「俺にも返せ」「俺にも返せ」と次々と湯銭を持って帰り、番台は大弱り。

上がってきた侍に番台が苦情を言いますが「何がいかん?、湯の中できたない身は洗ってもその風呂敷を洗ってはいかんというか」と屁理屈を言ってとりあわない。「まだ湯銭をいただいておりません」と言うと、小判を出して「釣りを出せ、釣りがなければ肥後熊本の屋敷まで取りに来い」番台は泣く泣く「もう結構でございます」と言って侍を返します。

この侍が次に来たのはまんじゅう屋。白い大福と赤い大福をみて値を聞き、小僧が「同じ四文」と言いますと「赤は食紅に色をつける手間がかかっているのに値が同じというのはおかしい。白を三文、赤は五文にせよ、ワシは白ばかりを食ってやる」

小僧が「いくら食べても四文でございます」と言うと、「そうか、いくら食べても四文か」と言って、これはなんじゃ、これはなんじゃとさまざまなまんじゅうを口に放り込み「勘定をこれに置く」と立ち去ろうとします。小僧が、「お勘定が足りません、四文しかございません」と引き止めますと、「さきほどいくら食べても四文と言ったな」

覚書

明治維新で、官軍方であった西国の田舎侍が江戸市中を我が物顔にのし歩いていた、明治の初期頃に作られたのでしょう。「棒鱈」も同様に田舎侍をこき下ろす噺で、当時の官軍が江戸庶民にいかに嫌われていたかがよくわかります。

この噺には、まんじゅう屋の前に居酒屋に入り「肴は何がある」と聞き、小僧が「・・後は蟹のようなもの」と答え、「では、その”ようなもの”をくれ」と言い、読売瓦版の売り立て文句”紙代判行代でただの四文なり”をもじって「蟹代あんこう代 鱈の四文なり」と言って酒代と合わせて八文だけ出し、文句を言われると「刀の手前容赦はできん。町奉行所に訴え出る」と脅して飲食代を踏み倒します。

後に金馬が『居酒屋』として独立させて、金馬の代名詞ともなる十八番になりました。その後、映画『の・ようなもの』に引用されていきます。また、古着屋のところは、上方落語の「無いもん買い」を踏襲しています。

万病円 三遊亭竜楽

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