ついたて娘(小泉八雲・衝立の娘)~柳家喬太郎






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ついたて娘~柳家喬太郎

茶屋に遊びに来た若旦那。ひと遊びをしたあと、馴染みで将来の約束を交わした芸者と二人だけで話をしたいと人払いをします。若旦那は、何も描かれていない衝立を見て、もう少し色気のあるものを置けばよいのにと言いますと、芸者は「この衝立は、ある謂れのある良いもの」だと言い、話し始めます。

遊びも知らない朴念仁の若い学者が、たまたま通りかかった骨董屋で衝立てに描かれた少女に魂をうばわれ、買い求めて帰ります。その日から学者はその絵を眺めて暮らすのが日課となり、学業も手につかない。思いつめたあげくに食事も喉を通らなくなり、やせ細っていくのを長屋の衆が心配して、寺の住職を呼んで学者と話をしてもらうことにします。

住職は「昔に亡くなっていても、絵の中で魂はまだ生きている」と言い、その少女に名前をつけ、毎日名前を呼び、上等の酒を少しでも買ってきて絵の前に盃を置いて交わしなさいと教えます。学者は、永遠(とわ)に添い遂げたいという思いで名前を「とわ」とつけ、毎日名前を呼び、盃を交わします。

覚書

『衝立の娘』は、小泉八雲が江戸時代の作家 白梅園鷺水が伝えた話を小説としたもので、喬太郎が落語に仕上げています。主役を若旦那と馴染みの芸者として話をはじめ、芸者が語る物語を劇中劇として、最後にもう一度主役を登場させる演出は、映画を見ているような秀逸さです。

ギリシャ神話にもこんな話があります。女性嫌いの彫刻家のピグマリオンは「結婚はしない」と決意していましたが、若さの情熱と欲求から、大理石で美しい乙女の像ガラテアを彫ります。生きているようなガラテアの像にピグマリオンは恋に落ち、頬をさすり、抱きしめてこの像を愛します。

『ピグマリオンとガラテア』
ジャン=レオン・ジェローム
メトロポリタン美術館

耳飾りや指輪、真珠の首飾りを像につけ、ドレスを着せるとますます人間のよう。ピグマリオンは、この像をベッドに寝かせ、枕にそっと頭をのせ、いつしか妻と呼ぶようになっていきます。

キュプロス島で行われる女神 アフロディーテの祭の日。ピグマリオンは祭礼の後、祭壇の前でアフロディーテに「あの像に似た乙女を授けてください」とお願いします。アフロディーテは、ピグマリオンの心を知り、ガラテアの像に命を与えます。

ピグマリオンとガラテアはアフロディーテの祝福のもと結婚し、子供をパポスと名付けます。パポスの子キニュラスは王となって、アプロディーテ生誕の地を父の名「パポス」と名付けてアフロディーテに捧げ、立派なアフロディーテの神殿を築いてキュプロス島を繁栄させたと言われます。

余談ながら、バーナード・ショウはこの話をもとに戯曲『ピグマリオン』を書き、後にブロードウェイミュージカル『マイ・フェアレディ』が生まれます。


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柳家喬太郎/ついたて娘

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