骨違い~三遊亭圓生






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棟梁の息子を間男と間違えて殺し

骨違い~三遊亭圓生

ある大工の棟梁、女房を亡くして後妻をもらい、十七になる先妻の息子のゲン坊と三人で暮らしています。ある日、大工の熊五郎の女房お光が棟梁の家に行くとゲン坊が自分の着物を繕っています。「そんなことはおばさんがやってあげる。おっかさんは何をしているのか」と聞くと病気でもないのに”寝ている”と言う。

お光は「先のおかみさんはよくできた人だったのに」とけなすと、それを聞いていた棟梁の女房はゲン坊をいじめにかかります。見かねたお光は、ゲン坊に「家に来なさい」と連れて帰ります。今日は棟梁が家に帰らないので、帰るとまたいじめられるというゲン坊。

お光は「うちも今日は旦那が帰らないから、泊まっていきなさい」と言いますが、そこへ酒を飲んで帰ってきた熊五郎が聞きつけ、間男と勘違いをして薪でゲン坊の頭を殴って殺してしまいます。

お光と相談して熊五郎は、ゲン坊の死体を川に捨てに行くことにします。死体を大きな風呂敷に包み、夜中に長屋を出ましたが、弟弟子の吉五郎に見つかってしまいます。お光は「悪い赤犬を棒で殴ったら死んじまったので大川に捨てに行くところだ」と言いいますが、吉五郎は「風呂敷からはみ出している足は犬の足じゃねえ、人間の足だ。うまい話なら自分も手伝うから割り前をくれ」と言います。

お光から事情を聞いた吉五郎は「大川なんかに死骸を捨てたらすぐに足がつく。俺の家の縁の下に埋めた方がいい」と畳をはがして穴を掘り、ゲン坊の死体を埋めてしまいます。熊五郎から金をもらった吉五郎は「もしこの一件が露見するようなことがあっても、弟弟子の吉五郎が存じております」と言うようにと念押しをします。

巷では、ゲン坊は継母にいじめられて家出して行方知れずとの噂が流れる。棟梁の女房は若い男と家を出てしまう。2人に去られて気落ちした棟梁は風邪をこじらせて死んでしまい、熊五郎がその跡を継ぐことになります。こうなると熊五郎の手元に金が入るようになり、お決まりの放蕩が始まります。ある日、嫉妬に狂ったお光が朝帰りの熊五郎との喧嘩の最中に「ゲン坊を殺した人殺し!」と大声で叫びます。

これを通りかかった八丁堀の同心が聞き咎め、二人を番屋へ連れて行き吟味を始めます。熊五郎が「万事、弟弟子の吉五郎が存じております」と言い張るので、吉五郎を呼ぶと「縁の下に犬の死骸を埋めたおぼえはあるが、人の死体を埋めたことはない。」と言う。

同心が縁の下を掘り返してみると、なるほど出て来たのは犬の骨だけ。ゲン坊の死体は、吉五郎が用心のためと掘り返して大川へ捨て、代わりに犬の死骸を埋めておいたのでした。お上は、熊五郎夫婦には「女房が嫉妬のあまり、あらぬことを口走ったのであろう」吉五郎には「犬の死骸と云えども民家の縁の下に埋めるとは不埒」と”おしかり”を受けるに留まり放免となります。

覚書

マクラで説明していますが、質に入れることを「ぶっ殺す」と言っています。

サゲは、犬の尾を踏んで吠えられた熊五郎が「ぶっ殺すぞ」と言うと、犬が「いつ受け出してくれるんだい?」というものでしたが、圓生は犬のセリフを「人間にはされたくねぇ」として骨違いのテーマをさらに印象づけています。

内容的にはかなりひどい噺で、嫌悪感を催す方もいらっしゃるかもしれません。世話物でもなく、さして面白い噺でもなくただめずらしい噺というところでしょうか。

落語 骨違い ディスコグラフィ

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