馬大家~三遊亭円歌



馬大家~三遊亭円歌

ある長屋に部屋を借りに来た男が住人らしき人に声をかけます。

住人は「歳はいくつだ」と聞きます。「三十三です。」と答えると、「午年だな、午年なら借りられるかもしれない」と住人。

大家は「馬大家」と呼ばれる馬好きで、午(うま)年の午の月の午の日、午の刻に、南部の盛岡で八幡太郎義家の乗っていた馬の親馬が出た家で生まれ、十三軒持っている長屋にも午年以外の借家人は置かないのだという。

馬のことを悪く言ってはいけないよとアドバイスをもらって大家の家へ向かいます。

「私は三十三の午年生まれの者ですが、あすこに空いている一万二千円の家を借りたいのですが」と切り出すと、手数の掛からないのがやって来たと、中に通されます。

男は、「若いうちは曲馬団にいました。その時馬を責めすぎて片足が不自由になってしまったが、口答えひとつできない馬をそれ以後は大事にした」と言うと、大家は「馬になりかわって篤くお礼を言うよ」と、家賃を六千円値引きしてくれた。

住居はと聞かれると、「横浜・馬車道に長らくいたが、その後東京・浅草の馬道8丁目、厩橋と駒形橋の間で焼け出され、練馬の方に引っ越して、叔母さんが日本橋の小伝馬町と馬喰町の間にいて、叔父さんが渋谷の駒沢と上馬にいます。」

「生まれは群馬県の相馬村」「好きな食べ物は馬鈴薯のウマ煮」「酒は白馬」と聞かれることにすべて馬が入っていて大家は大喜び。

覚書

肝つぶし」の項でも書きましたが、年月の揃った人というのは古くから特別な力を持ち、一方で不幸な出来事が起こる運命を持つとされています。

こちらは午揃いの大家に馬づくしの話をすることで気に入られて、家賃がタダになってしまうというコミカルな話になっています。

それなりにおもしろいのですが10分ほどの小品で一席として物足りないせいか、あまり演り手がありませんね。

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