質屋暦~立川志の輔



質屋暦~立川志の輔

日本の歴史の中で最も短かった1年は明治5年。
太陰太陽暦から太陽暦に切り替わった年で、明治政権は、明治5年12月3日が太陽暦では1873年の1月1日にあたることから、12月2日までを明治5年、次の日を明治6年の1月1日とすることを決めます。

実は、財政難に苦しむ政府が「12月分の給料を払わなくていい」しかも明治6年は13ヶ月、閏月のある年なので「この1ヶ月分の給料も払わなくていい」2ヶ月分の支払いが浮くというのが理由。すぐやろうと、明治5年11月9日に発布されます。

さぁ、困ったのは庶民。
蕎麦屋の親父は年越し蕎麦の準備におおわらわ、神社の宮司さんも賽銭箱を探して走り回る、12月20日に出産予定だった煙草屋のおせいちゃんは生まれなくなったと泣きじゃくる。

質屋に入れた道具箱の受け出し期限が1月3日になっている男は、まだ1ヶ月あると思っていた期限が4日後になっていると聞いて急いで質屋に走ります。

覚書

2013年初演 当初は「質草女房」の題で後に改題。

演題を見ると古典落語のように思いますが、志の輔が2013年に作った新作です。

明治5年の改暦をモチーフに庶民の混乱や、因業な質屋と職人夫婦のやりとり、質屋にやりこめられた夫婦に大家が知恵を授けるなど、庶民が因業な奴をやりこめたり、二番煎じが失敗するなど、落語らしい要素満載で、志の輔の才能が感じられます。

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