箒屋娘~桂小南



箒屋娘~桂小南

船場で木綿問屋を営む相模屋。
若旦那の宗三郎は、いつも部屋で本ばかり読んでいる。

大旦那の宗兵衛は論語読みの論語知らず、世間知らずなのも困るし、閉じこもってばかりでおかしな病気にでもなれば大変と、番頭に外へ出かけるようにしてくれと頼みます。

番頭は若旦那を説得して丁稚の亀吉を呼び、これから住吉詣りのお供をするように言いつけます。

番頭は亀吉に百両の金を渡してきれいに使って来い、一銭も残らず使って帰れば正月とお盆の薮入りを十日間にしてあげる。金を残して帰って来たら暇を出すと言って二人を送り出します。

店の者は七、八十人もいるが番頭と亀吉以外は若旦那を見るのが初めて。わいわいと騒ぎながらずらっと並んで若旦那を見送ります。

覚書

上方にはめずらしい人情噺で、住吉大社沿道に並ぶ乞食や茶屋の風情も時代が感じられます。

ただ、昔はこの噺にもオチがありました。
「ただ」というのは、このあと晴れて一緒になった婚礼の翌朝、娘が家を出てしまうという展開になります。

番頭は何があったのか、昨日どんなことをしたのかと聞きますと、若旦那は初夜にこの春画の通りにしたのだと言います。
(冒頭、番頭が若旦那を諭す場面で、番頭は若旦那に茶臼(女性上位)の春画を渡し、こういう遊びも憶えておいたほうがよいと言うくだりが付け加えられます)

番頭あきれて「最初からこんなことしたらあきまへん、相手は箒屋の娘。逆さにしたら帰りますがな」でサゲになります。

客に帰ってほしいときには、玄関に箒を逆さにして立てるというのは昭和の中頃まではよく知られていたまじない(俗習)でしたが、現在では箒がある家のほうが少なく、この俗習自体がわからなくなっています。

何よりせっかくいい話なのにバレ噺にしなくてもいいじゃないかということでご参考まで。

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