王子の幇間~桂文楽



王子の幇間~桂文楽

ある商家の旦那。店先が騒がしいので店の者に聞いてみると、幇間の平助が来ているとのこと。

旦那は、平助が来ると物がなくなって困る。靴の片方を持って行き、後日に「旦那さん、靴が片方ございましょう、それを足の悪い友人のためにいただきたいので」ともう片方を持っていったが、今度来た時には「今日は売り物がごさいます、旦那さまにぴったりの靴で」と売りに来やがった。

二度とこない方法はないだろうかとお内儀さんに相談すると、平助はその場にいない人の悪口を言う癖があるので旦那は隠れていて、平助に旦那の悪口をさんざん言わせた後で出てきてやりこめたらよいだろうと策を授けます。

覚書

さてこの噺、この録音では王子がひとつも出てこず何が「王子の幇間」なのかわかりませんが、平助が旦那の悪口を言うくだりで出てきます。

旦那に朝飯を食わせてやると言われて、両国に行ったらまだ閉まっていた。
「常磐屋」、柳橋の鰻屋「柳光亭」、代地の西洋料理「万里軒」、芳町の「鹿の子」蔵前の「宇治里」三好町の「富士山、駒形の泥鰌「川枡」、浅草は蕎麦の「尾張屋」、千住の「万金」、鮒の雀焼きの「尾彦」などなどすべて店の手前で横道にそれる。

あげくに木母寺の三遊塚で238本の墓を掃除させられ、王子の権現様でお百度を踏まされ、ようやく料亭「海老屋」で腹いっぱい食べることができたが、余興に綱渡りをさせられて落っこちた、演者によっては王子まで行って何も食わせてもらえなかったという話。

いずれも明治時代に実際にあった名店で、当時の人たちには馴染みがあったり一度は行ってみたいという店だったのでしょう。

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