狐芝居・そってん芝居~桂吉朝【動画】


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桂吉朝~狐芝居

旅の武士が茶屋で一服して去った後、「刀を忘れた」と戻ってきます。茶屋の老夫婦は、武士の魂である刀を忘れるとは、さては武士の格好をしてタカリなどをやっているに違いないと思いましたが、男は「大坂の芝居役者で武士の役がついたので武士の姿で旅をしているのだ」と言います。

さて、この役者が夜の山道にさしかかりますと、”しゃぎり”(芝居の幕間の鳴り物)の音が聞こえ、覗いてみると忠臣蔵の四段目が始まるところ。もとより好きな芝居、見入っておりますと田舎芝居とは思えない立派な判官。

しかし、判官が九寸五分を腹に突き立てても由良之助が出てきません。このままではせっかくのよい芝居がダメになると居ても立ってもいられず舞台に飛び出します。

一生懸命由良之助を演じて喝采を浴びますが、狐たちが「仲間の匂いではない匂いがする。」などと騒ぎ出し、一瞬のうちに狐たちの姿は消えて野原の崩れかけた神楽道の前。

夢を見ていたかと思いますが、「いや違う違う。わし、狐の芝居で大星由良助やってたんや。お~い狐、お前らのおかげで、生涯かかってもでけへん由良之助みたいないい役をやらしてもろた。おおきに。気持ち良かったで、ありがとさん。」と言い、クルリとトンボを切ると男の姿が狸に。

覚書

芝居噺については、芝居(歌舞伎)の素養と知識、修行がないと演じることができません。いずれも上方落語の古い噺で、芝居の雰囲気をきっちりと表現できる表現力や台詞回しは吉兆の醍醐味でした。

現在、桂吉弥などが引き継いで演じています。

桂吉朝~そってん芝居

ある商家の旦那。堺に住む叔父が九死に一生の大病との使いがきて、見舞いに向かうために床屋を呼びます。
互いに大の芝居好き。「忠臣蔵」の話で盛り上がっている間に髪がたいへんなことに。。

なんとか結い直しますが、もう夕刻。歩いては今晩のうちに着けないと駕籠を頼みますが、当時仕置き場であった飛田のあたりで追い剥ぎが出るというので応じるものがありません。

仕方なく辻駕籠をつかまえますと、番頭は「追はぎに着物はがれんように、裸で乗って行きなはれ。」と言い、旦那もなるほどと思って裸で駕籠に乗り込みます。

駕籠が飛田の森に差しかかると、石塔の間から抜き身をさげた浪人風の男が姿を現します。駕籠屋は駕籠の中に旦那を残して一目散に逃げてしまいます。男は「この時刻にここを通るとは度胸のあるやっちゃ、ここは地獄の一丁目があって二丁目のないところ。四の五の言わずに身ぐるみ脱いで置いて行け。」と駕籠の簾をはね上げます。

覚書

桂米朝が昭和11年頃に東京で下宿生活を送っていた頃初代桂小南に心酔しており、東京で小南の演じるこの噺を一度だけ聞いたものを、自分にはできないと吉兆に託しました。2004年に吉朝が戦後初めて高座にかけましたが、吉兆は「しょーもない噺、これは廃れるわ」とマクラで話しています。

2015年4月、桂吉坊が独演会の中でこの口演以後、初めて披露しました。最大の見せ場は二分間にも及ぶ無言の髪結いの所作で、吉朝は日本舞踊のかつら専門店に尋ねて所作を練り上げたと言い、吉坊も専門店で所作を習ったということです。ぜひ大切に引き継いでいってほしいものです。

落語 そってん芝居 ディスコグラフィ

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コメント

  1. […] 上方では「そってん芝居」という芝居噺で演じられていましたが長らく演じ手がおらず、米朝が復活させて桂吉朝がよく演じていました。 […]

  2. […] 上方では「そってん芝居」という芝居噺で演じられていましたが長らく演じ手がおらず、米朝が復活させて桂吉朝がよく演じていました。 […]

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