業平文治~古今亭志ん生



業平文治~古今亭志ん生

本所は業平村に住む侠客 浪島文治郎。歳は二十四、親孝行で新陰流の極意を極めた剣客。力は七人力で弱きを助け、強気をくじくという義侠心で老若男女から慕われています。

その頃、杉の湯という風呂屋があり、その頃は湯女もおり、男女混浴でしたからよい女が風呂に来るのを目当てに男達も集まって繁盛しています。

歳二十三四のお浪という美人がこの湯に来るのを見計らって生薬屋の番頭が毎日お浪の横でちょいと手を出したりする。

ある日、風呂から上がったお浪が番台に、毎日体を触られたりするからそいつの手ぬぐいを取ってきた。手ぬぐいのない奴がいたら知らしておくれと言います。

実はこのお浪、国蔵というヤクザの女房でのべつ強請りタカリをやっている浮き草のお浪という二つ名を持つ女。

番頭に悪態をついて横っ面をひっぱたく、お前の主人のところへ連れて行って掛け合うと言っているところへ入ってきたのが文治。

お浪に勘弁してやってくれと頼みますが、どうしても勘弁できない。若造は引っ込んでいろと言われた文治、お浪を殴って表へ放り投げます。
覚えていろと捨て台詞を残してお浪は帰ります。

家に帰ったお浪、亭主の国蔵はよい金づるができたとお浪の全身に膏薬を貼って文治の家へ向かいます。

文治は謝り医者にかかる金を出すと言いますと国蔵は五十両で手を打つと言います。
奥へ連れていき、国蔵の胸ぐらをつかんで働き盛りの人間でありながら悪いことばかりをしている。世のためにならないのでお前を殴り殺してやると五つばかり殴りますと国蔵は降参、改心するならと二十両を渡して正業につけと言って帰します。

その頃、神田に十二人の乱暴者がいて中でも豊島町の亥太郎という左官、力は二十人力、背中に猪の彫り物をしています。

飲み屋の払いはきれいなのでどの店でも今日は持ち合わせがないと言えば「親方なら結構ですよ」とツケにしておいてくれる。

ある日、飲み屋で一杯やり持ち合わせがないと言いますと、ここの番頭は亥太郎のことを知らず「飲み逃げになりますよ」と言ったところ亥太郎は怒って番頭を殴り飛ばします。

そこへ通りかかった文次郎が仲裁に入りますが亥太郎は聞きません。

覚書

三遊亭圓朝が明治十八年に作った人情噺で、全五話の構成。
第一話 本所杉の湯の場
第二話 天神の雪女郎
第三話 柳橋芸者お村
第四話 神田の亥太郎
第五話 おあさ殺し

志ん生の口演は第一話と第四話の抜き読みで、全編の音源は残念ながら残っておりません。

この続編として「後の業平文治」というものもあります。
圓朝があらすじを作った段階で死去したため、圓朝四天王の一人 弟子の圓橘がこのあらすじと生前に圓朝に聞いていた話をもとに仕上げたもので、希代の悪党、大伴蟠龍軒を討ち逃した業平文治が遠島となり、三宅島、小笠原などを漂流の末追い詰めていくという話になります。

どちらも青空文庫に速記がありますのでご興味のある方はこちらからどうぞ。
業平文治漂流奇談

後の業平文治

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