棒鱈~柳家さん喬・古今亭菊之丞・柳家小三治【動画】






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あかべろべろの醤油漬けとエボエボ坊主の酸っぱ漬けを持って参れ

柳家さん喬~棒鱈

江戸っ子の二人連れが、料理屋の座敷で飲んでいますと、隣の座敷に鮫塚という田舎侍が入ってきます。女将に何を召し上がりますかと問われ、「あかべろべろの醤油漬けとエボエボ坊主の酸っぱ漬けを持って来い」と言います。

芸者をはべらせ、モズのクチバシという唄を三味線も入れず「百舌鳥のくつばすぅ~三郎兵衛の薙刀、差しやぁ唐傘、わっきりチャッキリ、鍋のすぐがきぃ タヌキゃの腹づつみぃおらさっぱっぱぁ!」。

次は十二ヶ月という唄。「いつがちぃは まつかぁざぁり~ にがちぃは てんてぇこてん さんがちぃはひなまぁ~つぅるう」隣の二人はたまらず、「つまらねぇ唄歌うねぇこのイモ侍!」「バカ野郎」などと吐き捨てます。

覚書

明治の世になり、薩摩や長州などから来た侍が江戸で幅を利かせるようになり、江戸っ子たちはおもしろくありません。そんなところから生まれたこの棒鱈。

私はさん喬で初めてこの噺を聞きましたが、江戸っ子二人の悪態にひっくり返って笑いました。田舎者を揶揄する噺なので不快に思う人もいるかもしれませんが、落語というのは弱者が強者をやりこめたり、逆に強者や強欲者が、正直者を騙したり殺したりというも醍醐味の一つです。当時の官軍は絶対強者。横暴な振る舞いをした人が少なからずいたことは、さまざまな書物にも残っています。これに一矢報いたいという噺家の気概を感じます。

あかべろべろの醤油漬けは、噺の中ではマグロの刺身というふうになっていますが、マグロの刺身を長持ちさせるために醤油で漬け込んだ「ヅケマグロ」のことでしょう。ヅケ丼など現在でも食べられますが、これはこれで美味いものです。

「棒鱈」は江戸の俗語で酔っぱらい、間抜け、野暮天などをあらわすのに「この丸太ん棒め、棒鱈め!」のように使われました。「阿呆鱈」というのもありますが、こちらは江戸後期に願人坊主たちが時事風刺に唱えた俗謡「阿弥陀経」(あほだらきょう)にかけた言葉です。

「鱈もどき」という料理(詳細は不明、料理辞典などにもありませんが、これも酔っ払いや野暮な人を揶揄したものですね)もで出てきて、料理人が「鱈もどき」にふりかけていた胡椒を持ったまま喧嘩を止めようとして胡椒を振りまいてしまい、皆がくしゃみをして喧嘩どころではなくなり、「二階の喧嘩はどうなった?」「故障(胡椒)が入りました」でサゲになります。

「故障が入った」というのは、邪魔が入って何かが中断されてしまったというような状態を表しますが、これもあまり使われなくなりました。

古今亭菊之丞~棒鱈

柳家小三治~棒鱈

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