『お笑い・漫才芸人列伝』
古今東西のお笑い・漫才芸人の貴重な映像・音声を集積。
明治・大正・昭和・平成・令和の数々の芸人を、映像と音声で紹介します。
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大坂から奈良を越えて伊勢参り 大津へ出て京都から大坂に戻る壮大な連作
桂米朝~発端・煮売屋・七度狐
大坂から奈良を通り、伊勢参りに向かう喜六と清八。「腹が減った」と峠にある煮売屋に立ち寄ります。
酒はどんのがあると聞くと”村雨” “庭さめ” “じきさめ”など変な酒しかなく、どじょう汁を頼めば女房に「町へ味噌を買いに行け、ワシはどじょうを獲りに行く」という亭主。頭にきた二人は手近にあった”イカの木の芽和え”を失敬し、食べ終わるとすり鉢を草むらへ投げ入れます。
この鉢が狐の頭に当たります。この狐が一度人に仇されると七回騙して返すという”七度狐”。「クスンクスン、悪い奴な。おのれ憎いは二人の旅人。人の物を盗み食ろうばかりか ようも稲荷のお遣わしたる 狐に物を投げつけたな。思い知らさん 今に見よ」と復讐を誓います。
覚書
『東の旅』。正式な名称は『伊勢参宮神乃賑(いせじんぐうかみのにぎわい)』という旅話です。大坂から”くらがり峠”を超えて奈良。奈良から伊勢でお参りをすませ、鈴鹿峠を超えて大津、京都へ出て伏見から三十石船で大坂へ帰ってくるという壮大な旅話です。
昔は何日にも分けて公演されましたが、現在最も多く演じられるのは、奈良から伊勢へ向かうあたりでの煮売屋と七度狐の段を合わせた『七度狐』、伊勢から少しだけ北へ上がった明星で、主人公の喜六と清八に源兵衛が加わって女郎買いをする『三人旅』(三人旅浮之尼買)は、東西でよく演じられ、圓生や柳家小さんなどもよく高座にかけていました。
七度狐につづく『長者番付(うんつく酒)』、最後に京都から大坂へ向かう『三十石夢乃通路』あたりが、ごく稀に演じられています。下に旅の流れに沿ってピックアップしてみました。
煮売屋 桂枝雀
奈良名所
旅は奈良に入ります。
大仏の目
奈良名所でサゲに使われる小噺です。
大仏の眼が中に落ちてしまい、子供が目から大仏の中に入って中から目をはめて直します。
さて、直した子供がどうやって出てくるかと皆が心配していたところ、鼻の穴から出てきます。
賢い子だ、目から鼻へ抜けた。
野辺
野辺へ出てきますと、伊勢参りからの帰りらしい陽気な一行とすれ違います。
長者番付(うんつく酒)柳家小三治
里へ降りてきて造り酒屋で酒を買おうとしますが、一升二升では売れないと言う主人。
このウンツクめ、ドンツクめと悪態をつきます。
主人は職人に戸を締めさせ、二人の周りを職人に取り囲ませて、酒は呑ませるが、さっきのウンツク、ドンツクとはどういう意味だ?、ワシが納得できる説明をしないとここから出さない、と脅します。
小三治もいいですが、小さんの口演が絶品でした。
がまの油(法会)
村の鎮守の法会(ほうえ)に参加することに。
露天でがまの油を売っています。
現在は独立した噺として演者も多数。
こちらにまとめましたのでごゆっくりどうぞ。
もぎどり・軽業 桂米朝
インチキ見世物小屋に入りひどい目に合う「もぎどり」。呼び込みの口上が実に見事です。
軽業の舞台を見学します。扇子と指で軽業の様子を見せるのですが音声のみなので残念です。。
軽業講釈
軽業の隣では講釈をやっています。
しかし、軽業の囃子がうるさく講釈師は苦情を言い、また最初から始めますが・・・。
鯉津栄之助
大和三本松の鹿高の関。
「こいつぁええ」と言う言葉が領主の倅の名に似ていることから使用を禁じられています。
喜六はその禁句を言ってしまったことから、、
三人旅浮之尼買 三遊亭圓生
旅は少しだけ北に進み、喜六と清八に源兵衛が加わって三人で女郎買いをしますが、喜六の相手は尼さんで・・・
間の山お杉お玉
伊勢の「間の山」にいた女芸人に、仙台だけで通用していた「仙臺通寳」(仙台銭)を投げたことから、、
宮巡り
伊勢神宮の名所を巡ります。桂文我(4代目)が復活させていますが今まで聞く機会がありません。
軽石屁22:33
旅は鈴鹿峠にかかります。
足が痛いという喜六に清八が籠屋と交渉します。
清八は越後のちりめん問屋の旦那になりすまし、一人駕籠に乗り込んで駕籠賃も喜六に払わせてしまいます。
残された喜六、清八への仕返しを企てます。
これこれ博打
賭場に入った二人、大負けして身ぐるみまで剥がれます。
神様のふりや、盗人に会ったふりなどしながら食べ物を確保します。
高宮川天狗酒盛
多賀大社(滋賀県犬上郡多賀町)に向かう道中で盗人の一味に出会います。
矢橋船
近江矢橋から大津まで船で渡ります。
平家の秘宝「小烏丸」という名刀を探す侍二人との話になります。
宿屋町
大津に到着し、宿をとることにします。
客引きの女と喜六と清八のやりとりが楽しい噺です。
こぶ弁慶
宿屋の壁土を食べた男。
壁の中に塗りこめられていた大津絵の武蔵坊弁慶に憑依されて・・
走り餅
逢坂の関(滋賀県大津市大谷町)で乞食に絡まれている侍を助けます。
お礼に東海道名物の「走り餅」をおごってもらうが、侍は突然しゃっくりが止まらなくなります。
三遊亭圓生~三十石
旅も終盤、伏見から大坂八軒屋へ向かいます。
江戸落語の名人ですが、幼少の頃を大阪で暮らしたこともあり、関西弁も上手いし、舟歌も聞き入ってしまいます。
三十石 桂枝雀
東の旅(伊勢参宮神乃賑) ディスコグラフィ
まずは桂文我の集大成。全編口演は百年以上行われておらず、文我の師匠だった枝雀や米朝に稽古をつけてもらい、入念な現地調査や速記本から、計二十二席の膨大な噺を独自の視点を交えて作り上げています。
往路『東の旅 発端』『奈良名所』『野辺』『煮売屋』『七度狐』『軽業』『軽業講釈』『常太夫儀太夫』『うんつく酒』『鯉津栄之助』『三人旅』『浮かれの尼買い』『宮巡り』の13編
復路『桑名船』『軽石屁』『高宮川天狗酒盛』『コレコレ博打』『矢橋船』『宿屋町~こぶ弁慶』『走り餅』『三十石夢の通い路』の9編。書籍とCDがあります。
コメント
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[…] 茶屋のくだりは東の旅の『煮売屋』そのままですね。 […]