始末の極意・しわいや~桂米朝・桂枝雀・金原亭馬生・月亭八方【動画】
『お笑い・漫才芸人列伝』 NEW!!
古今東西のお笑い・漫才芸人の貴重な映像・音声を集積。
明治・大正・昭和・平成・令和の数々の芸人を、映像と音声で紹介します。
桂米朝~始末の極意【動画】
始末の先生のところへ訪ねてきた男。自分も始末に関しては誰にも負けないと思っていたがこの先生にはかなわないとたびたび始末の方法を教えてもらいに来ています。
扇子を十年使う方法を考えた。半分開いて五年使い、もう半分を広げて五年使うと男が言うと、先生は子供の代までは使えると言う。半分ずつでなく全部開き、扇子を動かさずに顔を動かす。梅干しは食べるのではなく、前に置いて自然に出てくるつばをおかずにしてごはんを食べるのだと言います。
覚書
“始末” “ケチ” “吝嗇” というのは同じような言葉として使われますが、”始末”は、商いの始めと終わりをきちんとつけるという船場言葉で、もしトラブルなどがあった場合などでも、双方が納得できるかたちで収めることを「始末をつける」と言います。
お金、道具、着物、食事など一切のものに関して、この”始めから終わりまで”をきっちりと処理するというのが商家全体の美徳とされ、あるものを無駄にせず、工夫をして大事に使う。しかし必要とあらば惜しみなくお金を使うことが”始末”です。
ケチ・吝嗇というのは、物惜しみや出し惜しみをすることで、そういうさまを軽蔑したり嘲笑する言葉ですが、落語の世界では敬意を評されることもあり、この噺はその最たるものと言ってもよいと思います。
江戸落語では『吝(しわ)い屋』という題で演じられますが、これももともと上方の言葉で”しわん坊” “しぶちん”などとも言われ、金銭などを出し惜しみするさまを表すもので、宵越しの金を持たないという江戸っ子気質の中では「上方のしみったれ野郎」というような感じでしょうか、あまりいい言葉ではありません。
“貪欲”は、欲が深く人を騙してでも自分の得になるように物事を運んだり、自分の財産に執着している人のことを言い、こちらは落語の世界でも江戸・上方を問わず良い扱いはされません。この噺はケチに関する小話を集めたようなもので、感心してしまうほどのケチぶりが次々と披露されます。
サゲはいくつかありますが、枝につかまって順々に指を離させて片手の親指と人差し指だけになった男に、「人差し指を離せ」「これを離したら落ちてしまう」「それを離さんのが始末の極意じゃ」というものが一番シャレが効いているので定番となっています。親指と人差し指で丸く輪っか作って”お金”というジェスチャーで使っていましたが、もう通じなくなっているかもしれません。
桂枝雀~始末の極意
林家彦六(八代目正蔵)~吝い屋
この人自身も始末の達人で、稲荷町の長屋に住み、新聞の折込みチラシで片面が白紙のものを見つけたら切ってネタ帳の代用にしていたりという吝い話がある一方で、電車の定期券は仕事で使うものだからこそ割り引いてもらっているのだと、私用では定期券は使わず普通に切符を買って乗るなど自分の理念を通した逸話が数多く残ります。
金原亭馬生(十代目)吝い屋(しわい屋)
月亭八方 「始末の極意」
落語 始末の極意・吝い屋(Spotify)
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笑福亭里光/始末の極意
落語 始末の極意・しわい屋 デイスコグラフィ
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桂米朝
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桂枝雀
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桂文我
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