天王寺詣り~笑福亭松鶴・桂文枝・笑福亭生喬・三遊亭百生・桂雀三郎・桂米朝



天王寺詣り~笑福亭松鶴


彼岸の中日。男がご隠居のところに来て、「ヒガン」って見たことありますかと聞きます。

知らないと言うと、うちの台所の穴を出たり入ったりする鼠の少し大きい丈で「キチキチッ」と鳴く。

それはイタチではないかとご隠居が聞くと、自分もイタチだと思って下駄で蹴ってやろうとしたのだが、小林さんが入ってきて「何すんねん、ヒガンやがな」と言って止めたのだという。

それはイタチで、彼岸だから殺生はするなということだ。彼岸には天王寺さんで七日の間無縁仏の供養をして引導鐘をつく。

鐘の音は十万億土へ聞こえるのだとご隠居に教えられた男は、では、かわいがっていた飼い犬が近所の悪い子供に棒で頭を殴られて死んでしまったので、天王寺さんで鐘をついてやろうと言い出し、ご隠居も一緒に天王寺詣りに出かけます。

覚書

別題「犬の引導鐘」

経木に死んだ者の名前を書くくだりでは、「へぇ、笑福亭松鶴 日本で一番声の悪い噺家ですわ」など自分自身をネタに笑いを誘います。

彼岸の四天王寺界隈の物売りの声や人々のにぎわい、石の鳥居、五重の塔、亀を放すと功徳になるという亀の池の話など境内の観光案内のような要素も楽しめます。

天王寺詣り~桂文枝

天王寺詣り~笑福亭生喬

天王寺詣り~三遊亭百生

天王寺詣り~桂雀三郎

天王寺三題~桂米朝

1.戒名書き

 彼岸の天王寺さん。戒名書きが並び「戒名書こう、戒名はいらんかな」と客を呼んでいます。

ある戒名書きの前に客が来て「ゴリガリマカラ童子」「マイマイチンシャン童女」

困って俗名から書かせてもらいますと「泉州堺、大道九間町、包丁鍛冶、菊一文字四郎藤原兼隆、本家根本梶元平兵衛、先祖代々過去帳一切、と書いとくれ」

2.ブラリシャラリ

お参りに来た二人。五重塔の屋根の端の風鐸(仏堂や仏塔の軒の四隅などにつるす青銅製の鐘形の鈴)を指さし、

「お前、あの五重塔の屋根の端にぶら下がってるもんの名前知ってるか」と聞きます。

もう一人が「あれはブラリシャラリちゅうねん」
「違うがな、あれはシャラリブラリちゅうねん」

ブラリシャラリ、シャラリブラリでどちらも譲らず、五百文賭けようということになります。

3.悟り坊主

天王寺参道近くの家。母親が彼岸だからお詣りに行くと言うのを、近くに住んで毎日のように行っているのに今日のような人出の時に行くことはないと止めます。

そのうちインチキな物もらいが次々に訪れますが、息子は次々と追い返します。
そこへ薄汚れた身なりの托鉢僧が立ち、お経を上げ始めます。

この家の息子が「お通り」と追い払おうとしますが、母親が「ご出家にそんなこと言うもんやない。弘法大師様は入滅されてもあの世に行かず、日本国中を廻国してなさるという。弘法大師様やったらどうすんねん」とたしなめます。

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