『お笑い・漫才芸人列伝』
古今東西のお笑い・漫才芸人の貴重な映像・音声を集積。
明治・大正・昭和・平成・令和の数々の芸人を、映像と音声で紹介します。
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この暑い盛り、どこに蜜柑がある?
千両みかん~桂米朝
呉服屋の若旦那。急に患いつき十日あまりも食べるものも食べずに寝込んでしまいます。医者は「これは心の病、気の病で心に思っていることがなくなれば、良くなるだろう」と言います。番頭が何も言いたくないと言う若旦那を説得してなんとか聞き出しますと「あの色艶のよい、ふっくらとした、やわらかな・・」
てっきり女のことだと思った番頭「先様はおいくつくらいの?」と聞きますと、若旦那は「女ではない、食べる蜜柑だ」という。番頭はそれならすぐに買ってきてあげます、この部屋を蜜柑詰めにでもしてあげますと言いますと、若旦那は安心して急に腹が減ってきた。鰻の五人前でも取ってくれと元気を取り戻します。
番頭の話を聞いた旦那は「この暑い盛りにどこに蜜柑があるのか。お前が安請け合いをしたために倅の頭の中は蜜柑でいっぱいになっているだろう。もし蜜柑がないと言えば、倅はきっと死んでしまう。そうなったら、お前は主殺しだ。数々罪はあるが主殺し親殺しは一番罪が重い。町内引き回しの上、逆さ磔だ!」と言います。
番頭、大慌てで蜜柑を探しに出かけます。
覚書
上方噺を戦後に東京に移し、以来、夏の落語の代表格として東西でよく掛かります。
米朝の演出では、蜜柑問屋が事情を聞いて「タダで差し上げます」というのを、番頭がそれでは気が済まないと押し問答になり、それではと店主が千両という値段を出すくだりがあります。
滑稽話の色合いが強い噺ですが、私はこの噺の醍醐味は、商人(あきんど)の心意気の詰まったこの時の店主の台詞にあると思っています。
「天満にただ一軒だけ、蜜柑しか扱わんという暖簾をかけておりますとな、いつ買いに来られても”ございません”と言うのが嫌さに、毎年毎年腐るのを承知で蜜柑を囲います。すっかり腐ってしもうたら、今年も暖簾に元入れしたと思ってあきらめますが、一粒でも残ってそれに買い手がついたら商人冥利。一文も損はようしません。みんなの値段をかけさせてもらいます。」
「千箱の中の一箱。一箱の中でたった一粒残ったこの蜜柑。高いことはないと思いますがな。差し上げるのならタダで差し上げます。売ってくれとおっしゃったら一文もお引きはできません。あんさんも商人なら私の言うことはわかっていただけると思います。」
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落語 千両みかん(Spotify)
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