『お笑い・漫才芸人列伝』
古今東西のお笑い・漫才芸人の貴重な映像・音声を集積。
明治・大正・昭和・平成・令和の数々の芸人を、映像と音声で紹介します。
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牛肉を煮るのに鰹節が要るかってんだ
仕立ておろし~雷門助六
泣き上戸の男。女房の愚痴が止まりません「六十年の不作と言うが一生の不作だね。エライ者を生け捕りました。あれは亭主の命を削るカンナだね。色気なんかどこにも無い。夕べ起きたらヘソを出して寝ていた。まるで木村屋のアンパンみたいのを亭主に見せるなんて」
牛肉を煮るのに鰹節が要るかってんだ。バナナを買ってくれば糠に漬ける、冷蔵庫に何でも入れて煙草は湿気る、帽子は形がくずれる、靴まで冷蔵庫にしまって俺は八月暑いというのに足にシモヤケが出来ちゃう。
針仕事はできるかと聞けばできると言う。では縫ってみろというと反物を買ってこいと言う。反物を買う金もなく悔しい思いをしていたが、お店から中元にと反物をもらったので「さぁ、縫ってみろ」と言うと、女房は台所から出刃包丁と鍋の蓋を持ってきて、針と糸を隣から借りてきた。
反物を畳んで四つに切り、針と糸で畳を縫うように上から通して下へ抜き、下から通して上へ抜きとやっている。大きな風呂敷のようなものがで出来上がると鍋の蓋を真ん中に置いて出刃包丁でくるりと丸く切り抜き、「お前さん、縫えたから着てごらん」こんなものをどうやって着るんだと言うと、「着物の着方も分からないんだから。穴に首を通すんだ」言われた通りに着てみたが手も足も出ない。あんまりばかばかしいのでフフンと笑ったら女房、「この人は子供だね。仕立て下ろしを着てご機嫌だよ」
覚書
雷門派のお家芸として受け継がれてきた噺で、名古屋で活躍していた小福以降は途絶えてしまっています。
氷を入れる冷蔵庫、バナナ、木村屋のあんぱんなど昭和初期に目新しかったものが次々と出てきて、それなりには面白いのですが他の流行を追った噺にもれず、もうお蔵入りのように思います。
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