『お笑い・漫才芸人列伝』
古今東西のお笑い・漫才芸人の貴重な映像・音声を集積。
明治・大正・昭和・平成・令和の数々の芸人を、映像と音声で紹介します。
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「ざこ八」を潰したのはお前さんだよ
ざこ八~桂三木助
枡屋新兵衛を訪ねた男。「叔父さん、眼鏡屋の弟の”鶴”でございます、十年ほど東京へ行っていてずいぶんご無沙汰しております」と挨拶をします。町内の様子がずいぶん変わっていると聞きますと、播磨屋さんは心斎橋に移って繁盛しているが、界隈きっての金持ちだったざこ八の家は、わずかのあいだに潰れてしまったと言います。
新兵衛は「あの店をつぶしたのは鶴さん、お前だ」と言います。「東京へ行っていた自分がつぶせるわけはない。どうしたわけだ」と聞きます。
新兵衛が話すには、ざこ八の一人娘お糸の婿にと鶴さんを世話したが、婚礼の日にお前は逃げてしまった。お糸さんは嘆き悲しんでブラブラ病、他の縁談を持っていっても受付けなかったが、たまたま天王寺さんへお参りに行った時に鶴さんにそっくりな男を見つけてこれを養子に迎えた。
しかし、この養子が茶屋遊びを覚えて身代をつぶし、安女郎に悪い病気をもらってお糸にも移してしまった。お糸さんは髪の毛が抜けあちこちに出来物ができて二目と見られない状態になってしまい、今では欠けた雪平でおかゆをすすっているという有様だという。
鶴はこの話を聞いて、改めてお糸さんの養子にしてほしいと新兵衛に頼み、裸一貫からやり直したいと東京で貯めた三百円の金を預かってもらいます。これから懸命に働きぬいて一年、小さな店を買い取って『ざこ八』の暖簾を上げます。新兵衛に預けておいた三百円を戻してもらい、これはなかったものと米相場をやり、莫大な財産を築いて『ざこ八』のあった場所にもとの店よりも立派な店を再興します。
お糸の病気も治り、幸せな日々を送っていたある日。出入りの魚屋が大きな鯛を持ってきます。
覚書
上方の大ネタで笑福亭松鶴が得意にしていました。松鶴の弟子六代目松喬や孫弟子の七代目松喬が引き継いでいます。
東京へは二代目の三木助が移して三代目の三木助の十八番で知られます。
『ざこ八』は雑穀屋八兵衛を縮めたもので、米や麦、豆などの穀物を扱う店で東の旅の『三十石夢の通い路』などにも名前が登場します。
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