おいてけ堀~古今亭今輔・古今亭志ん生






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おいてけ堀 二題+1

おいてけぼり(化物娘)~古今亭志ん生

本所に千五百石の直参旗本 浅井久之信の家があり、卵をむいたようなきれいな三歳の娘いました。両親はこの子の成長を楽しみにしていましたが、疱瘡にかかり命は助かったもののひどい顔になり、その上ある日に転んで囲炉裏の火に顔を突っ込んでしまい、上から鉄瓶の湯をかぶって大火傷。これも命は助かりますが二目と見られない顔になってしまいます。これを見た母親は病いついて亡くなってしまいます。

久之信も、娘の顔を見て体が震えるほど怖がり、家に帰らず吉原へ通ううち、大見世『半蔵松葉』の高窓花魁と懇意になって身請けをします。

娘も十六歳になり、久之信が気に入った伊之助という男を自宅に書生として入れた十一月のある寒い日。正妻となった花魁が伊之助に「娘の部屋は暖かいからそこで寝なさいな」と勧めます。伊之助は、あんな化物と一緒に寝るのはごめんだと思いましたが、とにかく寒さしのぎにと勧められて娘の部屋へ。

翌朝、久之信は「夕べ娘と寝たんだって?、勇気がある奴だな。今晩も寝てやれ」と勧め、それから毎晩娘の部屋で寝ることになります。さて、そこは男女のこと、娘のお腹が大きくなり「母に知れると大変だからどこかへ連れて逃げてくれ」と言い出します。

伊之助は娘を伯父さんのところへ預けて自分は逐電。娘はこれを恨んで割り下水に身を投げてしまいます。それからというもの、この娘の霊がそこかしこに現れ周りの人は大変に怯えたといいます。本所七不思議のひとつ、『浅井の化け物娘』という古いお話で。

覚書

『片葉の芦』『送り提灯』『おいてけ堀』『落ち葉なしの椎』『馬鹿息子』『足洗い屋敷』『消えずの行灯』が本所深川に伝わる七不思議話。

おいてけ堀の伝説は日本各地にあります。本所もそうですし、北九州市の小倉にもあり、正体は河童をはじめタヌキ、カワウソ、ムジナ、スッポンなどさまざま。

墨田区錦糸堀公園の河童像は有名ですが、亀戸1丁目の第三亀戸中学校にもおいてけ堀の石碑が建っていて江東区の登録史跡になっています。

「おいてけ堀」宮部みゆき

「おいてけ堀」には宮部みゆきの小説もあって、上の二編よりよほど良い人情噺だと思うのですが誰か落語にしてくれないですかね。

両国橋の東詰にある麦飯屋でお運びをしているおしず。先ごろ亭主の庄太を亡くして寂しい思いをしております。おしずはもしや亡くなった庄太ではないかと思い、もしそうであれば成仏させてあげたいとこのおいてけ堀に出向き、ついに「置いてけ」の声を聞きます。

おしずが「何を置いていけば」と聞きますと「お光」と答えます。お光とは庄太の出入りしていた小間物問屋の女房。庄太はここの夫婦に殺され、その悔しさとおしずに逢いたい一心で幽霊となり堀の前を通る人に声をかけていたと言います。

おいてけ堀~古今亭今輔

錦糸堀あたりで釣りをしていた男。帰りかけると「置いてけ・・置いてけ」という声が呼びかけてくる。びっくりして魚篭を放り出し、帰って来ると熱が出て四日目になっても熱が下がらず「置いてけ 置いてけ」とうなされている。

この堀の近くに六さんの母親が隠居しており、年寄りが取り憑かれたりしたら大変だとこの話を伝え、六さんの家に帰ったほうがよいと勧めます。実はこのおばあさんこそが声の主。釣り人がこの隠居所に来てお茶を飲んだりしても魚の一匹置いていかないので「一匹くらい置いてけ」と愚痴をこぼしたのが聞こえたらしい。またやってやろうと釣り人が来るたびに「置いてけ 置いてけ」とやり始めます

これが噂となって、正体を見てやろうと出かけた二人。今度は「持ってけ 持ってけ」と聞こえます。よく聞きますと「この猫を持ってけ」。一人は驚いて猫を抱えて走り出し、兄貴分は堀に落ちてしまいます。

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