鈴振り~古今亭志ん生・金原亭馬生
『お笑い・漫才芸人列伝』
古今東西のお笑い・漫才芸人の貴重な映像・音声を集積。
明治・大正・昭和・平成・令和の数々の芸人を、映像と音声で紹介します。
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鈴振り~古今亭志ん生
藤沢の遊行寺というお寺。千人からの弟子を抱える大きなお寺です。この寺では大僧正は高齢ですが弟子は皆19~20歳そこそこと若者揃い。
この中から次の大僧正となる者を選ぶのにどうすればよいかと、大僧正とその側近が考え出したのが、五戒(ごかい)のひとつ、邪淫戒(じゃいんかい)のテストでした。
邪淫戒とは”女と接してはいけない”というもので、女に対して興味を持ったり欲情するなどもってのほか。
集めた弟子のイチモツに鈴をつけ、芸者を呼んで宴会を開きます。これで鈴が鳴らない者を大僧正にしようということに。
覚書
志ん生専売の艶笑落語の傑作。お座敷などで隠し芸的な艶話として語られました。
文政4年(1821年)出版の松浦静山著『甲子夜話』を原話とするもので、五戒の一つである『邪淫戒』のテストとして行われ、弟子が全員失格となりますが、あとで住職が真っ先に失格していたことが判明します。
噺の中で『五戒』と『十八檀林』という言葉が出て淡々と解説をしていく場面があり、聞き手には少し退屈な時間となりますが、この段があることで噺に重みが加わっているように思います。
五戒(ごかい)
仏教で、男女問わず、在家の信者が守るべきとされる五つの戒(いましめ)のこと。
1.飲酒戒・・酒を呑んではいけない
2.妄語戒・・嘘を言ってはいけない
3.偸盗戒・・盗んではいけない
4.殺生戒・・生き物を殺してはいけない
5.邪淫戒・・女と接してはいけない
十八檀林(じゅうはちだんりん)
「十八檀林」は関東の浄土宗十八箇所の学問所で、江戸時代初期に定められ、大僧正になるためには、この18の寺で修行をしなければなりません。
1.下谷の幡随院(東京都小金井市)昭和15年(1940年)に浅草神吉町より移転。
2.鴻巣の勝願寺(埼玉県鴻巣市)
3.川越の蓮馨寺(埼玉県川越市)
4.岩槻の浄国寺(埼玉県さいたま市岩槻区)
5.下総小金の東漸寺(千葉県松戸市)
6.生実(おゆみ)の大巌寺(千葉県千葉市)
7.滝山の大善寺(東京都八王子市)
8.常陸江戸崎の大念寺(茨城県稲敷市)
9.上州館林の善導寺(群馬県館林市)
10.本所の霊山寺(東京都墨田区)
11.結城の弘経寺(茨城県結城市)
ここで紫の衣一枚となるまで修行をしなければならない。
12.下総国飯村の弘経寺(茨城県常総市)
ここは十八檀林のうちで「隠居檀林」といって、この寺で、たいがい体が尽きちゃう。そこを一心になって修行をして、
13.深川の霊巌寺(東京都江東区)
14.上州新田の大光院(群馬県太田市)
15.瓜連の常福寺(茨城県那珂市)
そうして紫の衣二枚になって、
16.小石川の伝通院(東京都文京区)
17.鎌倉の光明寺(神奈川県鎌倉市)
そこで緋の衣1枚となって、
18.増上寺(東京都港区)
緋の衣二枚となってはじめて大僧正の位になるという・・ここまでの修行が大変であります。
鈴振り 金原亭馬生
鈴振り 立川談四楼
落語 鈴振り ディスコグラフィ
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