牛の丸薬~桂米朝・桂春之輔・古今亭駿菊【動画】






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牛の急病治します

牛の丸薬~桂米朝

春。雨の降った翌日に男が友人の家を訪ねますと「奥に入ってこい」と縁側に呼びます。縁先にいた男は「土で作った大和炬燵を片付けようと外に置いていたら、雨に濡れてぼろぼろになってしまった。これを指でほじって丸めてたらおもしろくなってきて五六十個も作った。土の丸子(がんじ)や。何にも効かないが、何かに効かせてやろうと思案しているところだ。明日、自分に付き合わないか、日当に二円、弁当もつける」と誘うと、男は喜んで承知して翌朝早く再び男の家にやってきます。

風呂敷包みをかついで、馬場をはすかいに東へ突っ切りまして、片町あたりから野辺へ出てまいりました頃、ようやく東の空が白んでまいります。やがて大きな村に差し掛かり、入り口の茶店に入ります。店の婆に「ひさしぶりだ」と言いながら村の様子を聞き、村の入り口の大きな家が次郎兵衛の家であることや家族の状況を言葉巧みに聞き出します。

次郎兵衛の家の前に来た二人、男にキセルと胡椒の粉を渡し、牛小屋を探して俺が合図をしたら牛の鼻先に胡椒の粉を吹きかけるように言い、自分は軒先に出てきた次郎兵衛らしい人に「おひさしぶりでごいます、大阪のほしか屋(イワシを日光で干し固めた肥料)です」と挨拶をします。

覚書

『牛の丸子(がんじ)』という題で語られてきた噺を、米朝が五代目の笑福亭松鶴、四代目文団治から聞き覚えたもので、丸子(がんじ)というのがわかりにくいために『牛の丸薬』と題を変えました。

松鶴は、丸薬の使い方をもう一人の男に話さず、文団治は最初にすべてを話してしまう演出にしており、米朝は松鶴の手法で語り、桂春之輔は文団治の流れを踏襲しています。

米朝は著書の中で「落語には、ずる賢い奴が悪知恵を働かせて不正を行い、それが成功してしまう噺がよくあります。しかもそれが案外憎めないばかりでなく、聴客も一緒になって喜んで手を叩くということが、少しも不自然さを伴わずに行われているようです」

これには民話とのつながりを感じるとして「民話や伝説、昔ばなしによくある、残酷さや狡猾さ。大昔は悪賢いずるい人間は、ある意味で尊敬されていたのではないか」「”三年寝太郎”などのように、楽をして金をもうけたり、策略と運とによって長者の婿養子になったり・・これらは苦しい庶民のあこがれというか、願望であったと言えましょう」としています。

なるほど『算段の平兵衛』は村人に嫌われながらもここ一番は頼りになる人間として皆が相談に来ますし、『壺算』も言わば詐欺行為なのでしょうが聞いていて不快になるものではなく、むしろ一種の爽快感を覚えます。

大和炬燵

大和炬燵は、瓦土を焼いた四角い箱のような置炬燵で、側面には三日月型などの穴があり、中に炭団(たどん)を入れて、昼は手あぶり、夜は布団の足元に入れて暖をとっていました。奈良で多く作られ、室町時代から昭和三十年代まで使われていたようです。


牛の丸薬 桂春之輔

古今亭駿菊 牛の丸薬

古今亭円菊門下から2011年に落語協会を脱会してフリーランスの落語家として「今そこに落語と笑いを配達する演芸団(いまそこ演芸団)」主宰として活動中。

落語 牛の丸薬 ディスコグラフィ

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