怪談市川堤(戸田の渡し)~桂米朝・林家正蔵・露の団四郎【動画】






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さて恐ろしい・・執念じゃなぁ

怪談 市川堤~桂米朝

京都は西陣の織物問屋で越後屋治郎兵衛。息子が二人あり、兄の治郎吉は十代から飲む打つ買うを覚えた極道三昧。祇園の小染と深く馴染みになりますが、この親が資産家。大阪の高津に家をもたせます。

根が極道な治郎吉、女房になった小染と今日は天王寺さん、今日は高津さんへと遊び歩き、金が心細くなってきますと博打で三回に一回ほどは勝ってまた遊ぶ。こんなことが長く続くわけもなく、生活は次第に困窮してきます。

博打仲間の熊五郎とともに薩摩の門堂平左衛門を騙し討ちをして四十五両という金を手に入れますが、熊五郎にも強請られ、酒を飲ませておいて殺し、身重の小染が実家に帰って子供を産みたいというのを、さては悪事を悟られたと勘違いをして殺してしまいます。

ある大雨の日、軒先で雨宿りをしていたところが、この家の住人、堺の町道場主、犬神軍太夫の囲い者で江戸節をよくするところから、江戸節お紺と呼ばれていた元芸者と深い仲になります。生活は改まらず博打も負け続きで借金三昧、お紺の右の目のフチにニキビのようなものができ、やがて顔の片面が腫れ上がってきます。治療費と借金の算段に走る次郎吉、ようやく金をつかんで帰ってきますがお紺の姿はありません。

さてはワシに捨てられたと思い、大川にでも身を投げたかと次郎吉は悔やみます。

覚書

マクラで触れられている通り、怪談噺というのは冷房のない時代、大御所はすずしい地方へ巡業に行く、残った若手がなんとか寄席に客を呼び込もうというもので、幽霊の格好をしたり、火の玉を飛ばしたりというさまざまな趣向を考え出しました。

お紺の幽霊が現れる終盤は、舞台が暗転して幽霊に扮した若手が客席に現れるなどの演出で悲鳴と笑いの渦に。現在でも夏場の寄席でこういう演出が見られる時もあります。

サゲは「”さて恐ろしい 執念じゃなぁ”と、どんな話でもサゲは決まってるんです。」と触れられていますが、日本の怪談の怖さは、海外のゾンビもののような気持ち悪さや、自分が襲われる怖さというものではなく、人間の業の深さとそれゆえの行動、行為にあります。執念や妄念といったものが死んでも残って実体化したもの、これが日本の幽霊です。

若いうちから極道を覚えた次郎吉、殺人をも厭わない生活をしながら、仏と呼ばれる分限者になる。そして行き違いから次郎吉に捨てられたと思い込み、乞食となったお紺と再会。「捨てたのではない、一足違いであったのだ」と詫び、「あびるほど薬を飲んでもよいから体を治させてくれ、また一生に生活をしよう」と言う。

それは嘘ではなく、次郎吉の心の底から出た言葉であったのでしょう。しかし次の瞬間、現在の地位や環境を思い起こして、やさしい言葉をかけられて喜ぶお紺を殺してしまいます。「堪忍してくれ。殺すつもりはなかったが、なるほどお前の言う通り、連れていんではこの身の破滅。ここで死んでくれ、南無阿弥陀仏!」「得心ずくでここ居ると言うものを、騙して殺そうとしたその心根がおりゃ憎い。おりゃ死なぬ、人に恨みがあるものかないものか・・」

戸田の渡し~林家正蔵【動画】

雪の戸田川~露の団四郎

落語 怪談・市川堤 ディスコグラフィ

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