名人長二~古今亭志ん生






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通し二時間超 指物名人長二 親殺しの顛末

名人長二~古今亭志ん生

《その一》
十八歳の頃から指物の名人と呼ばれた長二郎。両国の指物師清兵衛の弟子となったのが享和二年の十歳の時。現在二十八歳となって押しも押されもしない名人。これを坂倉屋という大家の主人が聞きまして、火事になった時に運び出していろんなところへぶつけても壊れず見栄えもよい仏壇が欲しいと頼みます。

出来上がった仏壇の値を百両と聞いて坂倉屋、それは高いと言い、もし壊れなければ千両くれてやると言って娘のお島が止めるのも聞かず樫の槌で叩きますがいくら叩いてもびくともしません。長二は、「疑いをかけられては売れない。千両出すと言われても断る。この仏壇は持って帰ります。」と言います。坂倉屋は十分に詫び、長二は千両を断り百両をもらって帰ります。娘のお島、惚れ惚れと長二を見送ります。

《その二》
弟弟子の兼松が誤ってノミで足を突き傷が治らないのを心配し、一緒に湯河原へ湯治にでかけます。二三日経ちますと兼松の傷の痛みも薄れ、「酒が飲みたい」というのをもういいだろうと宿の者を呼びます。酒肴を持ってきた婆に湯治の理由を聞かれ、兼松はノミで足を突いた、長二は物心がつい頃から背中に指が入るほどの穴が空いていて時折痛むからと言います。

婆はその傷を見て、長二の両親を知っている、長二は捨て子でその傷は捨てられた時に竹が背中に刺さってできたものだと教えます。

《その三》

翌日、湯河原から戻った長二は育ての親が眠る谷中の天龍寺へ墓参りに行き、住職に聞かれるまま身の上話をしたところへ、亀甲屋幸兵衛という五十絡みの男が入ってきて長二を紹介します。長二が帰ったあと、住職が長二の身の上を話しますと幸兵衛の顔色が変わります。

それから足繁く長二のもとに通って注文をする亀甲屋夫婦。女房のお柳(おりゅう)が長二の顔を懐かしげに見る。長二はもしかしたら実の親ではないかと思い始めます。ある日、亀甲屋夫婦が物見遊山の帰りに土産を持って長二の家を訪ねます。女房のお柳が五十両を渡し、「いい家に入ってお嫁さんをもらいなさい」と言います。長二は「何故赤の他人にそう親切にする。もしや親ではないか」と聞きますが幸兵衛は強く否定して帰っていきます。

五十両を返しに後を追う長二、再度幸兵衛に否定され、金を投げつけたのが幸兵衛の顔に当たって傷を負わせます。幸兵衛は短刀を抜いて切りつけもみ合ううち、自分で自分の脇腹を刺してしまいます。女房お柳が人殺しと騒ぎたてるのに動転した長二はこれも殺してしまいます。

《その四》

夜。酔った長二が清兵衛の家を訪ねて、清兵衛が作った茶箪笥をけなして木槌で叩き壊し「こんな親方の弟子と言われたくない。今日から他人だ、今後どんなことがあっても関わり合いは無しだ」と家を出ます。次の日奉行所へ出頭し、親殺しとして裁きを受けることになります。

当時の親殺しはどんな理由があろうと死罪と決まっております。南町奉行 筒井和泉守の調べが始まり、親を殺した理由を聞きますが「ただ殺した」と理由を語りません。現場に五十両の金が残されていたところから、理由を話さないということなら物取り目的での親殺しとなると言われ「金のためではない」と委細を申し述べます。

《その五》

奉行は長二の人柄や、坂倉屋の娘お島に仏壇の一件で千両を断った話などを聞き、またこれだけの名人を殺してしまうのは惜しい、なんとか助ける算段はないかと調べを進めます。そのうち、亀甲屋幸兵衛は元の主人半右衛門の女房お龍と密通し、鍼医岩村玄石に頼んで半右衛門を毒殺。お龍と一緒になって亀甲屋の主人として収まったことがわかります。

してみれば幸兵衛は親ではない。また元の主人半右衛門は、あの世で自分を殺したお龍を必ず離縁しているであろうから中国の故事に習いこれも他人。この一件はいずれも親殺しではない。”敵討ち”であるとして長二に青緡五貫文の褒美をお下げ渡し、亀甲屋の身代を長二のものとします。

《その六》

亀甲屋の身代をもらった長二は、本来の名であった半之助と名を改め、奉行の勧めもあって坂倉屋の娘お島と夫婦になります。子供ができなかったので養子をもらい、自分は根岸に隠居をして五十三歳で死去、育ての親が眠る谷中の天龍寺に埋葬されます。

覚書

三遊亭圓朝がモーパッサンの「親殺し」をもとに作り上げた人情噺です。明治二十年に中央新聞に連載され、自身が行った湯河原の風物なども詳しく書いています。

原本を読んでみたい方はこちらからどうぞ。(青空文庫)

名人長二~隅田川馬石

五街道雲助 名人長二 仏壇叩き

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五街道雲助/名人長二 仏壇叩き

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