写真の仇討ち(指切り)~林家正蔵・雷門花助






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晋の予譲に倣って怨みを晴らせ

指切り~林家正蔵

宴会で親切にされた芸者と馴染んでお金を貢いでいた信次郎。その芸者に男があることがわかり、「女を殺して自分も腹を切る」と言いますが、叔父は中国の故事を話して諌めます。

昔、晋国の智伯が趙襄子に殺され、その家来の予譲が主人の仇を討とうとして捕らえられた。趙襄子は許したが、予譲は漆を飲んで人相を変え、顔に炭を塗って乞食の姿になって橋の下で趙襄子を待ち伏せしますが、趙襄子の乗った馬が橋の前で動かなくなり、予譲は家来達に捕らえられます。

「士はおのれを知る者のために死す」と言う予譲に感心した趙襄子は、討たれてやりたいが、今自分が死ねば世が乱れる。これを自分と思って怨みを晴らせと着物の片袖を与えます。予譲が剣でそれを貫くとたらたらと血が流れ、人の一心とは恐ろしいと趙襄子は衝撃を受けて三年経たないうちに死んだという。

「その女からもらったものを突くなり、切るなりして鬱憤を晴らせ」と言われた信次郎、持っていた女の写真を突きます。

覚書

戦後にGHQからの指令によって自粛した20の演題のひとつで「写真の仇討ち」「恨みの写真」「指切り」「写真の指傷」などの別題があります。

林家正蔵、桂小南、三遊亭円歌、雷門花助などの音源がありますが、正蔵以外はいずれもカセットで現在は入手が難しい状況です。

写真の仇討 雷門花助

『開明奇談写真廼仇討』 五明楼玉輔

この噺のもとになった人情噺「開明奇談写真廼仇討」(かいめいきだんしゃしんのあだうち 明治19年 二代目 五明楼玉輔)は、全四十段を二十回に分けて口演されました。

勝海舟の遣米使節に同行して西洋医術や写真術を学んだ松木彦之丞が、父親が病死、母親は行方がわからないと、腹違いの妹で芸者の小糸から知らされます。帰国した彦之丞は、患者に同行した箱根の湯治場で長崎屋与市という神経病の男に出会って治療をして記念に写真を撮ります。

ある日、父親の弟子で按摩になっていた源庵に、小糸の身請けの相談に行ったところ、写真を見た源庵は、彦之丞の父を毒殺したのはこの男だと言います。今は長崎屋与市という名前に変えているが、以前は霞小僧伝次という悪党だという。長崎屋与市こと伝次とたまたま同宿になった彦之丞は、明治の世になり不倶戴天の仇といえども討てない。

娘の小糸を苦界から抜け出させたということであれば父親も恨まないだろうと、身請け金五百両を肩代わりすることで罪を許すと言い、ナイフで写真を刺し「晋の予譲に倣い、これで自分の考道は果たした」と言います。伝次は涙を流して感謝しますが、昔の悪事が露見することを恐れて、夜中に彦之丞をピストルで襲います。しかし失敗して捕らわれ、今度は本当に改心して詫び、自分の喉をピストルで撃って自害します。

落語 写真の仇討 ディスコグラフィ

林家正蔵
DVD

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