てれすこ~三遊亭金馬・三遊亭圓生・三遊亭圓歌






お笑い・漫才芸人列伝お笑い・漫才芸人列伝
古今東西のお笑い・漫才芸人の貴重な映像・音声を集積。
明治・大正・昭和・平成・令和の数々の芸人を、映像と音声で紹介します。

Produced By 聴き比べ落語名作選


レトロアニメジャパンレトロアニメジャパンNEW!!
あの頃。夢中になって観たアニメやドラマ
昭和のアニメやドラマを映像で追体験!

Produced By 聴き比べ落語名作選



イカの干したものをスルメと言わせるなよ

てれすこ~三遊亭金馬

ある漁場で名前のわからない魚が獲れ、村中聞いて回りますが誰にもわからない。漁師たちはその魚を持って奉行所を訪れますが、漁師にわからないものが役人にわかるはずがなく、役人奉行議論の末、その魚の魚拓をとって貼り出して名前がわかる者は申し出でよ。褒美として百両の懸賞金をつかわすと張り紙をします。

多度屋茂兵衛という男が名乗り出て、その魚の名は”てれすこ”だと言う。変な名前だと不審に思いますが、違うとも言えず懸賞金を支払います。その話を聞いた奉行はその魚を干物にして魚拓をとり、同じように懸賞金百両をつけて張り出します。するとまた茂兵衛が来て、その魚の名は”すてれんきょう”だと言う。

奉行は「この魚は、そちが”てれすこ”と言った魚を干しただけだ。上を偽る不届き者!」と牢に入れられ、打ち首を申し渡されます。男は女房に「言い残すことがある。抱いているその子が大きくなっても”イカ”を干したものを”スルメ”と言わせるな」なるほどイカを干せばスルメと名が変わる。”てれすこ”を干すと”すてれんきょう”と名が変わると得心した奉行、彼に無罪を申し渡します。

覚書

神仏に願いをかけるために好きなものを断つ”断ち物”。煙草や酒などの嗜好品、お茶やコーヒー、お菓子などを断つことを神仏に約束をして自分の望みを叶えます。

祭りなどでは事故や怪我をしないように本尊の使いや紋に似たものを断つ習慣が現在でも続いており、有名なところでは博多山笠では櫛田神社の土塀に埋められた瓦が胡瓜の切り口に似ていることから、期間中は胡瓜絶ち、女人断ちをし、破るときっと怪我をすると言います。

渥美清は入谷の小野照崎神社で好きな煙草を断つから役者として活躍できるようにと祈り、すぐに「男はつらいよ」の寅さん役が舞い込んできたという逸話が残ります。

志ん朝は守り本尊の虚空蔵菩薩の使いが鰻と聞いて大好物だった鰻を生涯食べませんでした。

“てれすこ”は火物と干物をかけた考え落ちですが、火物って何?という方もいらっしゃると思いますので蛇足ながら、火物は火を使った料理のことで、これを断って願掛けをするのを火物絶ちと言います。

てれすこ~三遊亭圓生

てれすこ~三遊亭圓歌

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください