大丸屋騒動~露の五郎・桂文枝【動画】



上方には珍しい世話物 でもオチはあります

大丸屋騒動~露の五郎

正宗と村正

刀には二つの種類があり、ひとつは人を守る刀、もうひとつは人を斬る刀。

正宗と村正を川に並べて置くと、川を流れる葉は正宗を避けて流れ、村正には吸い寄せられてことごとく切れて流れると伝わります。

妖刀村正

伏見の大きな酒問屋 大丸屋の長男宗兵衛が八幡八幡(やわたはちまん)の宮司の娘を嫁にもらいます。

輿入れの時に守り刀として持たせてもらったのが「村正」。その頃は村正が妖刀悪剣との噂は無く、さすがに宮司の娘 立派な刀だと言っておりましたが、

次男の宗三郎が「村正」を一目見るなり世の中にこんな凄いものがあったかと惚れ込んでしまい、義姉に持って歩くわけではない見るだけだとねだって譲り受け、自分の部屋で毎日眺めております。

宗三郎とおとき

この宗三郎、ふとしたことで祇園の芸妓 おときと深い仲になります。

兄の宗兵衛は、読み書きもしっかりして芸者には惜しいほどというおときの評判を知って、芸者を落籍せて祇園富永町に一軒の家を持たせて花嫁修業、宗三郎には木屋町に出養生ということにして、三月の間を置いてから添わせようと話が決まります。

木屋町 宗三郎と番頭喜助

二人が離れて暮らして三月目に入った七月の夜、宗三郎と共に木屋町に来ていた番頭の喜助が、冷奴などを作り、宗三郎とともに一杯やっております。

窓の外の景色を眺めながら喜助が、あれは法輪寺、あれが大日と説明し、南禅寺、知恩院、五重塔があって祇園・・といいかけてこれは禁句と謝ります。

宗三郎は、そう気を使わなくてもよいと言いながら、おときへの思いが募ります。

喜助は、手水に行きたいが、自分の手水は長い。そのあいだに若旦那が抜け出したりしないか心配だと言いますが、宗三郎は心配ないと言います。

喜助が手水場へ向かい、宗三郎がそっと出かけようとしますと、喜助が気配に気付いて手水を中止して止めに来ます。

祇園富永町 宗三郎 おときのもとへ

部屋に戻された宗三郎、喜助が再度手水場へ向かいますと、今度は草履を帯に挟み、今度喜助が止めたら脅してやろうと腰に村正を差して部屋を抜け出します。

祇園富永町に着き、おときの家の戸を叩きますと、女中のお松が出てきておときは留守と言います。

宗三郎は無理に上がり込もうとしますが、おときが現れて伏見の旦那に申し訳ないと許しません。

酒の一杯でも、ぶぶ漬けを、お茶を、水をと頼みますがこれも断られ、宗三郎は収まりません。

おとき、お松、喜助殺し

宗三郎は腰の村正に手をかけて、斬ってしまうぞと脅しますが、おときは惚れた若旦那に斬られるなら本望と答えます。

宗三郎はもとより斬る気はなく、鞘のままびっくりさせてやろうと振り下ろしますと、鞘が割れて肩口からざっくりと切ってしまい、おときは絶命してしまいます。

おときの悲鳴を聞いて出てきた女中のお松も、若旦那がいないことに気付いて追いかけてきた番頭の喜助も同じように村正の餌食になってしまいます。

真葛ケ原 宗三郎と宗兵衛

三人もの人を斬った宗三郎、心身喪失状態となり元結が切れて髪はさんばら、軒に掛け並べてあった提灯、行き交う人を斬って捨てます。

宗三郎は三条通を東へ、真葛原の二軒茶屋へかかってきますと、盆の供養で祇園の舞妓、芸妓が総踊りの真っ最中。

血刀下げた宗三郎がここへ入って次々と斬り殺していきます。
芸妓、舞妓が蜘蛛の子を散らすように逃げます。

一方、虫が知らしたか宗兵衛がおときの家へ行くと死骸が三つ。あたりの様子を聞くと正気を失った者が血刀を下げて真葛ヶ原で暴れているという。

宗兵衛急いで真葛ヶ原に向かいます。

真葛原では捕り方が集まって宗三郎を取り囲んでいます。
宗兵衛は役人に自分が取り押さえるからと頼み、宗三郎を後ろから羽交い締めにして気をしずめてくれと叫びます。

覚書

上方には珍しい人情噺(世話物)で、芝居の演出も見られます。

実話をもとにした講談や歌舞伎を落語に直した噺で、明治大正に活躍した先斗町 桂枝太郎の高座があまり見事であったために誰も手が出ずに滅びかけたと伝わります。

大丸屋騒動

安永三年(1773年)7月3日の夜、烏丸通りの材木商 大文字屋の息子彦右衛門が、新河原町の家で養生中に心身喪失、二尺三寸(約70cm)の脇差 粟田口近江守忠綱で手代を殺害、烏丸通りから丸太町にかけて往来の人を殺傷して帰宅後に自らも死亡、死者3名、重軽傷者21名に馬三匹という大事件です。

大丸屋騒動~桂文枝

文枝はこの噺で1990年の芸術祭賞を受賞しています。

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